きれいにすきとおった風をたべ

浅野川の岸辺を久しぶりに歩いていたら、
冬枯れの木々がすばらしい“びろうど”をまとっていました。


      


     わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、
     きれいにすきとおった風をたべ、
     桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。


     またわたくしは、はたけや森の中で、
     ひどいぼろぼろのきものが、
     いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、
     宝石いりのきものに、
     かわっているのをたびたび見ました。
                 

                 宮沢賢治『注文の多い料理店』序より



郁代の体はひどいぼろぼろだったけれど、
きれいにすきとおった風をたべ、
桃いろのうつくしい朝の日光をのみ、
宝石いりのきものにつつまれていたのかなあ、と思えてきました。



忘れていた自分の記事を、
畑のかえるさんが思い出させてくださり、嬉しかったです。


魂にふれる1
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