新しい旅立ち


特別支援学校に勤務していたかっこちゃんは、
やりたいことがいっぱいあって、3月末で退職されることになりました。
いままでに子供たちから教えられたことを、
これからも広く伝えていかれることでしょう。
新しい旅立ちを心から応援したいと思います。

かっこちゃんのメルマガ第1693号
宮ぷーこころの架橋ぷろじぇくと(2014年03月25日)より引用させて頂きます。

昨日は、離任式。
前の日の夜は淋しくて、いよいよ離任式が明日と思うと眠れませんでした。
昨日は雪絵ちゃんのときに一緒に勉強をした茜ちゃんが来てくれたり、
それから卒業生のみーくんも来てくれて、
そしてメールも卒業生からいただいたのです。

みんなが「かっこちゃん、応援してる。頑張ってね」って口々に言ってくれて、「体に気をつけてね」って。
私は本当にいつもいつも学校にいるときも、
転勤や卒業で離ればなれになっても、
いつもいつも守ってもらって、思ってもらってばかりの教員生活だったなあと思います。
みーくんの前で相変わらずハラハラと涙をこぼしてしまって、本当に相変わらずの私です。
離任式にそのお話もさせてもらいました。

卒業式のときに「みんなのことを応援していますって色紙に書いたけど、
でも、本当はいつも守ってもらってばかり」本当にそうです。
やっぱり泣けました。
ぽろぽろぽろぽろ泣けました。

写真も撮ってもらって、さびしいけれど、とびきりうれしい日。
この時期に珍しいほどの抜けるような青空も応援してくれているようでした。
出会えたたくさんの子どもたちのことをいっぱい思い出して、
出会えてうれしかったことを思いました。
そしてメルマガのみなさんにも、教員をしていなかったら出会えていなかった。たくさんの方に出会えて、私は本当に幸せな人生です。

九州のよしさんが、この前雪絵ちゃんの「道」の詩を教えてくださいとメールをくださいました。

      道    笹山雪絵

   今日まで歩いてきたみち
   さっき歩いてたみち
   明日歩く道
   今歩いてるみち
   これから歩くみち

   全部私が選んで決めて歩くみち
   間違いなく自分で選んで歩いてるみち
   だからこのみちでいいの
   このみちを歩きたいの
   私の選んでるみちはいい方向に向かってる
   だから全て大丈夫
   このままいけば大丈夫
   全て大丈夫 

雪絵ちゃんの詩などがここで見れます。
        

本当にこの道はとてもうれしくて、幸せな道でした。
不安なこともいっぱいあったけど、全部いい方向に向かってる。
だから、大丈夫です。
メールをいっぱいいただいています。ありがとうございます。

大翔くんのお母さんのしょうこちゃんから
・・・・・
かっこちゃん
特別支援学校の先生になってくれて、たくさんの生徒さんの近くでいっしょに喜んでくれて、いっしょに悲しんでくれて、いっしょに考えてくれて、
親の気持ちに寄り添って 声に出して味方でいてくれて、
ほんとにほんとに、ありがとうございました。

私は、かっこちゃんが特別支援学校の先生でなかったら、
だれも信じることが出来なかった頃から抜け出せなくて、
こんなにあたたかい大翔の優しさや、こんなに繊細で、豊かな気持ちを描く大翔の絵のことを 言葉に出していくことをあきらめていたかもしれません。

親にしかできないことと、親ではできないことがありますよね。
私にとって、かっこちゃんが伝え続けてきてくださったことに出会えたことは、私たち親子は、ただこのあたたかい気持ちの毎日に暮らしていることを伝えることだけでいいのだと、ただそれを周りに知ってもらうことをしていけばいいのだと思えました。
自閉症としては重度。
その大翔に守られるように、優しく肩に手を回してもらって今日も動物園を楽しみました。
だれがこの大翔をこわいというでしょう。
私が幸せに暮らすこと、それがこの子たちの今までの見方から、
少しずつかわることにつながると信じます。

私も明後日25日で、看護師を辞めることにしました。
うちは母子家庭だから、4月からはスーツ着て初の会社員をしてみます。
病気をしていても、兄弟で留守番してくれて、昼休みにコンビニ弁当を持ち帰り、また仕事に戻るのが私の仕事でした。
たくさん子どもたちのさびしさの我慢の上に続けてきた小さい時からの夢だった
仕事でした。
私は、一度でもやりたかった仕事させてもらって幸せです。
大翔との高校3年間を、大翔との今までを整理してみたり、
絵を見直して、大翔の気持ちを教えてもらった絵には、添えることができる言葉もあるかもしれません。
大翔が教えてくれたことが、今、就学前の療育をうけているお母さんや子どもさんたちへ、必要な場所へお話しさせていただくことも、大事にして過ごしていきたいです。

だけどかっこちゃん、この一週間なんとも、なんともさびしい気持ちでした。
そしたらね、大翔が学童で桜のちぎり絵を作ってきてくれましたよ。
なんだかね、4月からの私を応援して、背中をおしてくれてるような気持ちになりました。
だからかっこちゃんも、きっと今夜ちょっとさびしいかな?って思って、
大翔のちぎり絵つけてメールしてみました!
たくさんの方々からのメールにうもれているかもしれないけど。
かっこちゃん、お疲れ様でした!
これからも、かっこちゃんの毎日は、なんにもかわらないんだよね(*^^*)
・・・・・

しょうこちゃんありがとう。大ちゃんありがとう。
本当になんて優しいちぎり絵。胸がほっこりします。
大ちゃんも新しい春。しょうこちゃんも新しい春。
私も、そして宮ぷーだって、きっと新しい春。
環境がそれほど変わらない方も、きっと新しい春。
みんなで同じ空の下でみんなで生きるうれしい春。
本当にありがとうございます。

充ママさんから
・・・・・
かっこちゃん、お仕事ご苦労様でした。
本当にありがとうございました。
私はかっこちゃんにも、そしてかっこちゃんが出会われたお子さん達にも心か
らお礼を言わせていただきたいです。
そして、メルマガのみなさんにも私の話をぜひ聞いてほしくて、メールをしています。

私の息子充は突然の吐き下しがあり、そのあと何が起きているかわからないまま
に、脳症になりました。
いったん、症状がよくなって、家に帰っても大丈夫と言われたときに、
私は心配で入院をお願いしたのに叶わず、
家に帰ってすぐに症状がおかしくなり、そのまま症状が悪化して、
脳症になってしまいました。

最初に病院に行ったときとは、まったく別人になってしまった充。ドクターは「もう意識がもどることはないし、あきらめて下さいお母さん」と言いました。
「あきらめてください」
とはなんと冷たい言葉でしょう。
僕たちはとっくに、あなたのお子さんをあきらめていますと言わんばかりの言葉でした。

3ヶ月後も変化がなく、ドクターはこれ以上は決してよくなりませんから、
施設入所を考えてみてはどうですか?と言いました。
私は腹が立つばかりで、いっそこの子と一緒に屋上から死んでしまおうと思いました。

そんな日に友人が、かっこちゃんと白雪姫プロジェクトを教えてくれました。

かっこちゃんにメールをしたところ、すぐにお返事をくださいました。
そのメールを私は忘れることはありません。

「大丈夫です。きっと親子みんなで笑える日が来ます」。

いったい誰がこんなに温かい言葉をくれたでしょう。
誰もです。
誰も言ってくれなかった言葉。
ドクターや病院の悪口を書き連ねる私にかっこちゃんは、
「お医者さんを許してあげて。お医者さんも一生懸命。
ただ、私たちは病院のされていなかったリハビリをしていく。
だから、これまでの統計と違う道をたどって行ける。
お医者さんが悪いわけじゃないの。
常識が今から変わっていくから」
と言いました。

「かっこちゃんは充のことをあきらめたりはしないのですか?」
と聞いたら
「あきらめません。出会った人のことを私は決してあきらめたくないです。
欲張りですから。
そばにいるわけでもないし、何もできないけど、一緒にがんばりたいのです」
とメールをくださいました。

立つこと、揺らすこと、話しかけること、必死でやり続けました。
一ヶ月後に、充は手を動かし、足を動かし、
そして3ヶ月経って、初めて呼びかけにも応じるようにもなりました。

それまでただ順調に進んだわけではありません。
心ない言葉をたくさんかけられても、
パソコンの向こうにはかっこちゃんがいてくれると思ってはげみにしました。かっこちゃんは
「私の出会った子どもたちが教えてくれたことだから」
と何度もメールに書いてありました。
だから、子どもさんたちにお礼を言いたいのです。
充が病気になって二年半になりました。

充は四月から小学校に入学します。
秋にはディズニーランドに行きました。
あふれんばかりに笑う充を見て、
こんなに幸せな日が来るとは思いませんでした。
かっこちゃんの言うとおりでした。
親子で笑う日がやってきました。
もしあのとき、施設に入れていたら、今の生活はないと思います。

かっこちゃん、今日はおつらかったでしょうね。
たくさんの子どもさんのことも思い出されたのでしょうね。
本当にお疲れ様でした。
でも、きっとかっこちゃんは進んでいく。
私はみなさんに、
みんなでかっこちゃんを支えて行きましょうとお話したいです。

この道は本当に平坦ではありません。
でもこの新しい出発の日に、
みなさんにお話したいと思いメールをさせてもらいました。
・・・・・

充くんおめでとうございます。
そして、応援したいと言って下さってありがとうございます。
私は何もできなかったです。
お母さんとお父さんと充くんの頑張りに私はいつもいつもすごいなあと思っていました。
誰もあきらめなかったからこその今日ですね。
私こそどれだけ充くんに励ましていただいたかしれないです。
ありがとうございます。
きっときっと小学校でも楽しいことがいっぱいありますね。
うれしいことがいっぱいありますね。

フェイスブックにもメールでもいっぱいいっぱいいただいて、
なんてありがたいことでしょう。
ありがとうございます。
本当に私は幸せいっぱいの、新しいスタートを切って、
張り切って明日へ向かって歩き出します。

かつこ