二つのお部屋

みんながお腹を空かして集まりました。


「Aの部屋」には、ごはんに、長〜いお箸が添えられていました。
一人ひとり競って食べようとしますが、お箸が長すぎて誰一人ごはんを食べられません。
この部屋の人たちは、お腹が空いているのに目の前のご飯が食べられず、
いらいらと殺気だっていました。


「Bの部屋」にも、同じく長〜いお箸が添えられていました。
この部屋の人たちは、お互いに相手にごはんを差出し、笑顔で食べあっていました。ここは暖かい空気に満ちていました。


「地獄」とはAの部屋のことで、

「極楽」とはBの部屋のことなのですよ。

Aの部屋もBの部屋も、状況は全く同じなのですがね。



清水寺貫主さんの「利他一如」のお話でした。

頭(こうべ)を垂れる世界を忘れてはいないだろうかと。

今日、朝のテレビでお聞きしました。