親友からのメッセージのようで

以前頂いた、Sさんからのお便りです。


先日ふと訪れた本屋さんで「あなたにあえてよかった」:title=「あなたにあえてよかった」]が目に止まり、
パラパラと立ち読みさせていただきました。
しかしすぐに涙があふれ、立ち読みどころではなくなり、
家で静かにじっくり読もうと思いました。


私も親友をガンで亡くしました。
その年、長い休みが取れたので関西の親友を訪ねて歩こうと、
ふらり一人旅に出ました。家族で遊びに来てくれて以来、
三年程ご無沙汰だった親友に連絡を取り、ランチすることになりました。
きれいに着飾り、幼子二人の話を明るく楽しく話す親友に、
私は「いいなあ。うらやましいな」と繰り返していました。


すると、一時間程経った頃だったでしょうか・・・。
「実はガンやねん」って…。
言葉を失いました。
しかし親友は郁代さんと同じように気丈に明るく、
元気な私のことを気遣い励ましてくれました。


その夜私は共通の友人宅に泊まったのですが、
彼女に報告するのが精一杯でした。
 ご無沙汰の三年間に親友は発病し、
私が再会した時は病気再発の後だったのです。


初夏、学生時代と同じように飲みに行った時、
「これカツラやねん。めっちゃ今どきやろオ?」って。
「ホンマや!。何も分からへんわ…」終電まで盛り上がりました。
小学校や幼稚園の役員も精力的に務めていましたが、
夏を過ぎたころには体力も落ち、
久しぶりにメールしたら、
「明日、もう一回手術してみる事にしたわ」って。


それからは、まだ体力が戻らないからと再開ものびのびになり、
そのうちメールの返信もなくなりました。
そろそろメールでもしてみようと思った頃、
旦那さんから電話を貰いました。


本を読んで郁代さんと親友が重なり、
一つ一つの言葉が天国の親友からのメッセージのように思えました。
有り難うございました。
最期の数ヶ月会えなかったことが、
私達友人の心のしこりとなっていたのですが、
郁代さんが言うように、
しこりも自然と消える気がしました。


思いやりなんですね。


お母さんが郁代さんのことを本に残してくれたお陰で、
私も親友にまた出会えたような気がしました。
千の風」に乗って…。
親友と共通の友人にも「あなたにあえてよかった」を送ろうと思います。
年の瀬に気持ちがす〜っと楽になりました。
                       平成18年12月30日

Sさん、
「本に残してくれたお陰で」とおっしゃってくださり、
私も救われました。
有り難うございました。
本を出版してよかったのかなあと、時々思うものですから。