緩和ケア病棟で

広島のKさんからお便り頂きました。


お目にかかった事の無い私でございますが、どうしてもという気持ちにかられましてお便りをさせていただきました。
一気に最後まで読み、深い感動を抱いています。


と申しますのも、
私の唯一人の兄が若くしてたった一ヶ月の病いで旅立ちました。
その母の心中を痛いほど感じていましたので、
奥様のお心の中をお察しいたします。
私も二人の娘を持つ母ですので、
自分の身におきかえてページをゆっくりめくって、
お写真と共に読ませていただきました。


私はいつも思うのです。
年齢を問わず『命』をもっともっと大切に生きて欲しい!と。
生きたかったのに、それをかなえることが出来なかった人も
たくさんいるのですよと申し上げたい気持ちです。


そして、“千の風になって吹き渡っています”
という言葉にどれだけの方々が救われていらっしゃることかと思います。
私の母が生前中にこの「千の風になって」があれば、
少しでも心が静まったであろうにとすぐ感じました。


郁代さんの笑顔のすばらしいこと、
ご自分をしっかり持っていらっしゃることは、
やはり御両親様のお力が大きかったと文中から十分に読みとれました。


私は今、すぐ近くの広島県立病院、
緩和ケア病棟の日本で唯一の「デイホスピス」でボランテアをしています。老期の入口に入った私は本当に佳い人生勉強をさせて頂いていると感謝しています。


こうして書いていますと何回か訪れたことのある金沢の街が想い出されます。私は観光ルートにのらない旅が好きなので心のまま足のままに歩いて一期一会を喜びとしています。


聡明な笑顔の郁代様に、千の風に乗って遠い広島へもいらして下さいねと心から祈っています。
大浦家の皆様方がお元気よく日々お暮らしになることを、郁代様は最もお望みでございましょうから呉々もお身体をお大切にお過ごし下さいませ。
お嬢様のことを偲びつつ。


     
緩和ケア病棟「デイホスピス」の1室に、
「あなたにあえてよかった」を置いてくださったKさん、
ありがとうございます。


郁ちゃんのおかげで、たくさんの方との出会いがありました。