足跡

村上和雄先生と、山元加津子さんの対談は、
「祈ることは遺伝子に組み込まれているのではないかなあ」
というお話でした。


「宇宙の約束」の映画の中で、
考古学者でもある阪根さんがおっしゃっています。
「世界中のどこの、どんな古い遺跡を発掘しても、
必ず出てくるのは祈っていた跡なんだ。
土器が見つからないような古い古い遺跡であったとしても、
祈りのために焚いた火の跡は必ず見つかるんだよ」


そして赤塚さんのフットプリントの話も心に残りました。
「ある夜、一人の男が夢を見た。
海岸を歩いている夢だった。
彼は、歩きながら自分の人生を走馬灯のように思い出していた。
ふと振り返ると、
その場面場面で砂浜に二組の足跡があることに彼は気がついた。
ひとつは自分のもの、
そしてもうひとつは、
いつも伴って歩いてくれた神のものだということがわかった。
どんなときも一緒に歩いてくれた神の存在に心から感謝をして、
もう一度足跡をじっと見た。


ところが、彼の人生で最も困難で悲しみに打ちひしがれ、
立ち直れないほどのどん底にあった時に、
足跡がたった一組しかないではないか。
彼は、神に尋ねた。
「神様、私の人生で最も苦しかったとき、
一組の足跡しかありません。
私が最もあなたを必要としていた時、
どうしてあなたは私を見捨てたのですか?」


その時、天から声が聞こえた。
「わが子よ、我が愛する子よ、それは違う。
私はあなたを愛している。
たとえあなたが私を見失っても、
私は一瞬たりともあなたを見失いはしない。


その足跡は、私の足跡である。


あなたが試練や苦しみの深みにあった時、
あなたを背負って歩いた私の足跡なのだ」



昨日、京都へ出発する朝偶然撮った足跡は、


「あなたが試練や苦しみの深みにあった時、
あなたを背負って歩いた私の足跡」
だったのですね。


そうだったのですね。
胸がふるえました。