『書評』・・・「悲しみ」が「ありがとう」に変わる

以前紹介させて頂いた


ありがとうの花―魔法のメルマガは朝8時に届く
                (三五館・山元加津子著)


今週発売「週刊朝日」の書評に載ったんです。一ページ全面です。
パチパチパチ!!
よかったね、かっこちゃん、宮ぷー。


『ありがとうの花』
「悲しみ」が「ありがとう」に変わる
      評者  ノンフィクション作家 足立倫行


書評の最後は
  3・11後に読んだ本の中で、
  一番腹の奥まで響いたのが本書だ。
と締めくくられていましたよ。



書評からの抜粋です。


・・・・・
著者は特別支援学校の教諭。
本書は、著者が脳幹出血で倒れた同僚の回復状況を綴ったメルマガの日記(〈宮ぷー こころの架け橋ぷろじぇくと〉)と、
そこに寄せられた全国の読者のメールを編んだものである。


呼吸や内臓機能など「生きる」ことに直結する脳幹の損傷は重大。
当初3時間の命とされ、
助かっても「一生植物状態」と医師に宣言された“宮ぷー”の回復ぶりは驚異的だ。それ自体が、奇跡に近い。


だが、本書の真骨頂は、著者の日常の献身的活動が、
メルマガの読者の間に呼び起こしたさまざまな波紋と新たな絆のほうだ。


例えば、夫が倒れて半年という「よう」さんからのメール。
「なんで私ばっかり?」「もう逃げたい」と訴える。


それを読んで「空」さんから。
夫が重度障害で四肢麻痺、より軽い患者を羨んだこともあったが、
介護中でも「時には病院をさぼって」もいいのでは、と助言する。


著者は当然、メールを返す。
「ようさん、決して自分を責めないで。
悲しい思いはそんなに簡単にはなくならない」。
私は、悲しみはそこにあるものとして、
でもその中に幸せを見ていたい、と書く。


「よう」さんから思いがけない返事がきた。
各地からもらった30通ものメールと、自分が書いたメールを入院中の夫に見せたところ、夫が泣き出したと報告する。
「よう、『俺は自分ばかり、こんなひどい目にあって』と、ようにばかり八つ当たりをして、本当は俺が守らんといかんのに」
「俺はもっと強くならんといかんな、すまんかった」



本書にはこのようなメールのやりとりが満載されている。


結婚式直前に病気で倒れ、半身不随になって婚約者と別れた。
待望の赤ん坊が重い障害児だった。
自分の母親がところかまわず排便する。


人生には「悲しみ」の種が尽きない。
ところが、そんな「悲しみ」が、


「社会は障害や病気を持つ人と調和して進んでいく」
「そうでなければ私たちの未来はない」


という信念を持った、
「ウンチ、おしっこ好き」で、
「泣き虫」な著者のメルマガを通過すると、
「ありがとう」に変わる。


3・11後に読んだ本の中で、
一番腹の奥まで響いたのが本書だ。
・・・・・





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