どちらも後味が悪いです

日陰の湿ったところに咲くホトトギスは夏から秋の花。
他所より咲き始めが遅かったので、今も毎日咲いて楽しませてくれます。





① お金をあげなくて残った苦い思い


先日玄関のチャイムが鳴ったので出てみると、
「息子に精神の病気があり生活に困っているので、お金を貰えませんか?」と。女の方で年齢は60才前後でしょうか。


○町に住んでいて、ここまでは歩いてきたと言います。
あそこからなら、2時間以上かかります。
それにしても履物はつっかけで、
小雨が降っているのに靴下も濡れていません。


「民生委員もおられるし、市の福祉課などに相談してみてはどうでしょうか。生活保護の制度もありますね」
生活保護は受けているのですが、来月にならないとお金がもらえないので・・・」


でも歩いて来たというしお元気そうな感じがしました。
「この辺は出店ラッシュで人手不足、どこもパートさん募集してますよ。
すぐそこのストアにも張り紙出ていましたよ。
わたしなら、働きますけどねえ」
「このあたりのお店、入ったことがないので張り紙は見てません・・・」


なかなか噛み合いません。


「私からみたら本当に困っているようには見えないので、ごめんなさい」
と言って帰っていただきました。
お金を貸したことで味わった、
数年前の苦い経験がよみがえったからでした。
でも、お金をあげなくても苦い思いは残りました。
本当に困っていたのかも・・・と。



② お金を貸したことで味わった苦い思い


数年前のこと。
この辺りは学生街です。ある時訪ねてきた男子大学生、医学部在学とか。
静岡県へ帰省したいのだが、片道分のお金を貸してほしい」
「アルバイトのお金が○日に入るので、必ず返しにくるから」。
住所、氏名、○日に返すとのメモを書いて貰い、貸しました。
(返しに来ないだろうし、だからもう貸すこともないだろう)
その通りでした。


そのときも言ったのです。
「あなたは若い。私なら、アルバイトして用意しますよ。
それに、こんな所へ来なくてもお友達から普通は借りるでしょう」
それならば、貸さなければよかったのです。
後悔しました。苦い思いが残りました。



あの時は、
自分が良い子になりたかっただけなのです。
後で起きるトラブルを避けたかっただけなのです。