「一生忘れないだろうな」

小立野方面へ行く時よく通るこの道、昨日は運動会の最中でした。










私は何度かこの盲学校を訪れたことがあるのです。
10年ほど前、保育園に勤めていたころ、
全盲のけんちゃんを受け入れることになりました。


金沢市「普通児と一緒の保育は前例がないので、
    幼児の障がい者通所施設へ入所してはどうですか?」
    「保育園は建物も健常児向けに作られているので、危険がいっぱいです」
保育園「盲学校の開放日に、親子と一緒に保育者も参加し、
    いろいろ学んでいるので大丈夫です」
初の試みとして金沢市が保育士一人を加配、けんちゃんは入園できました。


祖父母を含め、家族みんなに愛されていたけんちゃん。
お母さんはいつもニコニコされ素敵な方でした。
「けんちゃん!」「けんちゃん!」
どうしたらけんちゃんが楽しく過ごせるか、
子どもたちは細かな気遣いをみせてくれました。


お母さんが、
その後入園した、弟のゆうきちゃん(3歳)のつぶやきを見せてくださいました。
  母  「ゆうきは あかちゃんのとき とってもかわいかってんよ。
      ず〜っと目あけとって
      ほかのあかちゃん みんな目つむっとっても 
      ずっと目あけとった」
  ゆうき「じゃあ、(兄の)けんちゃんは?」
  母  「ず〜っと目つむっとった。目あけんかった」
  ゆうき「じゃあ あした ゆうきが けんちゃん産むげん。
      そして かっこいい かっこいい
      ず〜っと目あけとるけんちゃん 産んであげる。
      けんちゃん いまでも目あけんもんね」
                        

お母さんはゆうきちゃんの言葉を、
「一生忘れないだろうな」とおっしゃいました。


運動会の中に、高等部のけんちゃんがいたかもしれません。
                      ☆子供の名前は仮名です。