「最重度の障害児たちが語りはじめるとき」

かっこちゃんのメルマガ第1515号宮ぷーこころの架橋ぷろじぇくと(2013年9月28日)に、本の紹介がありました。

「最重度の障害児たちが語りはじめるとき」中村尚樹著・(草思社


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内容紹介

「かんなかあさんがすきめいわくばかり」

これは最重度の重複障害児として生まれ、まわりのことを何も理解していない
と思われていた緩名ちゃんが、九歳のときに初めて表現した文章です。
生まれつきの重度障害によってまわりとコミュニケートできない子どもたちは、
これまで「言葉をもたない」とみなされてきました。
ところがパソコンや筆談、指談(しだん)などを使う特別な方法が開発されたことで、
じつは豊かな言葉を心のうちに持っていたことがわかってきました。
これらの一つ、ドーマン法を紹介したNHKドキュメント「奇跡の詩人」には疑惑が集中しましたが、本書ではさまざまな方法でコミュニケートしはじめた人たちのケースが紹介されます。
はたしてそのすべてがニセ物でしょうか。
多くのケースについて丁寧な取材をもとに書き下ろされた本書は、
障害者とその家族の苦しみと喜びに寄り添った感動の書です。
と同時に、「言葉とは?」「意識とは?」「人間とは?」という人間存在の根本を問い直す重要な示唆にも満ちています。
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ジャーナリストで、「脳障害を生きる人びと」などの本の筆者でもある中村さんは、柴田先生に会われたことで、最重度と言われる人々に深い思いがあるのだろうかと思われて、
いろいろなことを調べられたり、
いろいろな方に会われたりして、この本を書かれました。

柴田先生のこれまでの詳しい取り組みだけでなく、重い障がいを持っておられる子どもたちと一緒にいた人たちが、そのことに気がついて、取り組んできた歴史についても書かれてあります。
養護学校の教員になって、30年以上になる私にとっても、歴史を振り返ったり、新しいことを知ることになりました。
多くの方に読んでいただきたい本だなあと思いました。

これまでメルマガで書かせていただいた大越桂ちゃんや、きんこんの会。
るなちゃんのことも出て来ます。
そして、私が20年近く前に書いた文章も引用していただいていました。
(ところが20年前であるために、いいわけですが、今ではすっかり使われていないような言葉も私が使っていて、ああ、当時はこんなことばも私は使っていたのだと申し訳なくて心が痛みます。)

それから、宮ぷーと柴田先生との出会いについても書いてくださっています。
ジャーナリストである中村さんが、いろいろな方と会われて、お話されたことがとても興味深くて、そして、きっとまた、たくさんの方の常識が変わって行く大きなきっかけにもなるように思うのです。ぜひと思います。
                                かつこ

中村尚樹さんプロフイールより
NHK岡山放送局でニュースデスクとしての勤務を最後に辞職、
フリーランスの記者として現在にいたる。