能登の方言

たんぽぽさん がんばったね

『うめめ日記』はいつも方言が豊かでほっこりしますが、 
別の方の能登の方言だけで書いた「日記」に出会ってとてもなごみました。
ユーモアがあってなつかしく、笑えました。

私、ついていけます。
中学校の同窓会に行くと、このような会話が飛び交って賑やかなのです。

以下、「おってかいねー」をお借りします。

(タバコを買いに近所の雑貨屋さんへ。と言っても、2Kmほど離れた所・・・どんな近所?)  
 
「おってかいねー」
   「あれぇ〜、あんさま、久しぶりやがいね。寄ってかっしま」
「え〜ぇ。達者かいね〜」
   「暑っいがいね」
「お〜いね。まんであっつーて、しのぎにくいぞね。ほんでも、今日は、まだマシな方でないけ」
    「ん〜、ほやね。きんにょどま、ハクラミおこしそーやったもんね」
「ほや、ピースライト、くだいま」
   「いくついるが?10個け?」
「ほないじょに、いらんぎ。ひとつだけこーわいね」
「え〜ぇ。はい、これね。・・・お〜、そうや。あて、あんたにおーたら聞こ思っとったげ」
「なんやったいね」
   「文章の書き方教えて下いまね」
「何言うとるが。いっつもあんた、まいこと書いて新聞に投稿しとるがに」
   「ほんやけど最近、なーんも書くこと無いがになってもたぎて」
「ほんなもん、おれどま、あんたに何教えるこっちゃいね」
   「ほんなこと言わんと。人の話、聞きゃ、タシになる事あるわいね。
    ま、これでも食べさっし・・・」
「おや珍しや、今じぶんミカンやがいね」
  「ほれ、まいぎよ〜」
「うゎ、ちべたい・・・お〜ぉ。・・・まんでまいわ、これ」
    「ねぇ、何か、まい方法ないけ?」
「ほんなら〜、日記でも書いたら、どーやいね」
   「日記ね〜」
「おいね。寝っとき枕元にでも置いとって、
 今日あったこと書いといたら、いーがでないけ」
   「ほ〜言わぁ、日記てが、長いこと書いたことて無いぞいね・・・
    ちょんこい時、ガッコの宿題に書いたぐらいやわね」
「てんごみたいがでも、メモみたいがでもイイと思ーけど」
   「そやね〜。あ、これ、つべたい缶コーヒー飲まっし」
「うん。・・・あのね、ついでに新聞の切り抜きとかも一緒に貼っといて、後で、もっしょいがだけ書き直したらイイがいね」
   「そやね〜。ほしたら忘れんぎねぇ。やってみようかね」
「やらっしやらっし。・・・あ〜、オレまだ仕事の途中やったぎ、
じっくらーとしとられんぎったわ。」
   「あれぇ、ほんながかいね。こんな、あっついがに、せーでるこっちゃねぇ」
「あんたも、メシマエから仕事しとったぎろ」
   「おいね、皆なダケダケに、たいそいけど、せんならんもんね」 
「ほんなぎね。ちきない言うとられんもん。まーかった。
いくらやいね?」
   「260円やわいね」
「あんた、ほれやったら缶コーヒーとミカン代、まざっとらんがいね」
    「ほんなが、いらんわいね。教えてもろたぎもん」
「教えたて程、たいそな事言うとらんぞいね。
おりゃまたあんた、さんにょ出来んがかと思たがね・・・」
    「何、ダラなこと言うとんが、
     ほんだけまで、あじゃかしぃないわいね」
「ほんなら、ごっつおさんやったね」
     「え〜ぇ、こんだまた、ゆっくら−と話、せんかねー」
「ありがとね〜」
     「また、いらっしね〜」

・・・ここじゃあ、商売どま成り立たんぞいね〜