優しさを振りまいて

郁ちゃん
今いくよさん(67歳)が多くの方に惜しまれて、5月28日に亡くなられました。
あなたと同じ胃がんでした。

人気女性漫才コンビ今いくよ・くるよ」は、
昭和50年代半ばの漫才ブームの立役者でした。
郁ちゃんはその頃多感な小・中学生、
忘れられないエピソードがあります。

「郁代って名前きらい。どうしてつけたの?」

どうも学校でからかわれるらしいのです。
今いくよ・くるよ」って言われたのでしょうか。

成人になってからは、
「郁代っていい名前、好きになったよ」
って言ってくれたので、うれしかったです。

いくよさんの訃報に際して、いろんな方のコメントがありましたが、
芸人仲間が口をそろえるのが、すさまじいまでの面倒見のよさ。
楽屋で若手芸人を見つけては「食べよし!!飲みよし!!」とご飯に連れて行くなど、恩義を感じている芸人さんの数は計り知れないとか。

最後の仕事となってしまった5月11日の舞台、
居合わせた人の話では、
「いつもどおりの印象で、ニコニコとあいさつをしてくださいました。
なので、悪いどころか、むしろ『もう完全に治ったんだな』と思っていた。
今から思うと、しんどくないわけはなかったと思うんですが、
それを周りに感じさせないように完璧に振る舞ってらっしゃったんでしょうね」

「 人の何倍も、何倍も、優しさを振りまいて旅立たれたいくよさん・・・」
という言葉もありましたが、
次第に郁ちゃんとだぶってきて、涙が出てきました。

郁ちゃん、いくよさんと一緒なら、
これからは笑いが絶えないでしょうね。