郁ちゃんのところへいっちゃった
Hさん夫婦が福知山から私を訪ねてこられたのは、2年近く前のことでした。
「あなたにあえてよかった」を読んで、是非お会いしたくなったとおっしゃいました。
御主人ががんだとわかったのでと言われました。
残された時間に「思い出となるお別れの旅をしたい」と、金沢の地を選ばれたのです。
郁代が結んだご縁でした。
- 作者: 大浦静子
- 出版社/メーカー: 北國新聞社出版局
- 発売日: 2006/10/13
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Hさん夫婦が2人だけで旅行をしたのは、これが初めてだったのです。
私たち夫婦と一緒に、ひがし茶屋街、菖蒲園などを散策したのでした。
今日早朝、奥さんから電話がかかってきました。
「郁ちゃんのところへいっちゃった・・・」
2日前に、「もう危ない」との電話があったばかりでした。
御主人はがんばって、がんばって、会社一筋の人生でした。
「もう、がんばらなくてもいいからね」
「辛かったろうね。もう、苦しまなくてもいいからね」
郁代に語りかけたと同じ言葉を私はつぶやいたのでした。
涙が出てしかたがありませんでした.
2005年6月 郁代撮影