空いろの花


いよいよ春!と思わせるような暖かい日です。
気持ちが軽くなります。
お空は青いです。

金子みすずの詩が読みたくなりました。


空いろの花

     青いお空の色してる、
     小さい花よ、よくおきき。

     むかし、ここらに黒い瞳(め)の、
     かわいい女の子があって、
     さっきわたしのしてたよに、
     いつもお空をみていたの。

     一日青ぞらうつるので、

     おめめはいつか、空いろの、
     小さな花になっちゃって、
     いまもお空をみているの。

     花よ、わたしのおはなしが、
     もしもちがっていないなら、
     おまえはえらいはかせより、
     ほんとの空を知っていよ。

     いつもわたしが空をみて、
     たくさん、たくさん、考えて、
     ひとつもほんとは知らぬこと、
     みんなみていよ、知っていよ。

     えらいお花はだァまって、
     じっとお空をみつめてる。
     空にそまった青い瞳(め)で、
     いまも、あきずにみつめてる。




星とたんぽぽ
        
     青いお空のそこふかく、
     海のこいしのそのように、
     夜がくるまでしずんでる、
     昼のお星はめにみえぬ。
     見えぬけれどもあるんだよ。
     見えぬものでもあるんだよ。

     ちってすがれたたんぽぽの、
     かわらのすきに、だァまって、
     春のくるまでかくれてる、
     つよいその根はめにみえぬ。
     見えぬけれどもあるんだよ。
     見えぬものでもあるんだよ。