いのちのバトンタッチ

本木雅弘さんが「おくりびと」について語っていました。

「納棺の場では、送る人、送られる人のコミュニケーションがあるのです。
いのちのバトンタッチがあるのです」


青木新門さんの詩にもあります。


    いのちのバトンタッチ


      人は必ず死ぬのだから
      いのちのバトンタッチがあるのです

      死に臨んで先に往く人が
      「ありがとう」と云えば
      残る人が
      「ありがとう」と応える
      そんなバトンタッチがあるのです


    柿の実

      立山に初雪が降ると
      柿の実はうれしそう

      この後は
      鳥たちに啄ばまれようが
      熟れて落ちようが
      それは死ではなく
      いのちを託した喜びだから

      立山が白く光ると
      柿の実は光顔巍巍
      ほんとうにうれしそう



「あなたにあえてよかった」と伝える郁代の「お別れの旅」は、
「いのちのバトンタッチ」だったのでしょうか。


私が本を書いたのは、
「いのちのバトン」を受け留める作業だったのでしょうか。



あなたにあえてよかった

あなたにあえてよかった



立山が白く光ると
柿の実は光顔巍巍
ほんとうにうれしそう