いつかおまえに会いたかった
星野道夫の魂をゆさぶる写真と言葉の数々。
娘が旅立った後、私は毎日アラスカのクマたちに会っていました。
少しずつ元気が出てきました。
木も、岩も、風も、
あらゆるものがたましいをもって
わたしたちを見つめている。
人間の持つ哀しみと悠久なる自然。
寄せては返す波の調べに人の心が静まるのは、
私たちの身体のどこかに、
遠い海辺の記憶が残っているからだろうか。
人は生きているかぎり、夢に向かって進んでいく。
夢を完成することはない。
しかし、たとえこころざし半ばにして倒れても、
もしそのときまで全力をつくして走りきったならば、
その人の一生は完結しうるのではないだろうか。
気がつけば、
アラスカの自然に、暖かく抱かれているのでした。