「いくちゃんに  あいたい!」

郁代が旅立ってしばらくしてからのこと。

家族みんなで食事をしての帰り道、
車の中で突然Aちゃん(五歳)がさけんだのです。
「あ、いくちゃんのうたや!」
       ♪  ぼくらは あいたくて〜
          ただ あいたくて〜  ♪


気がつけば、
ゴスペラーズの「Forever & More」が流れていたのでした。

「Aちゃんも、いくちゃんに会いたい!」
「そうだねえ、Aちゃん。会いたいねえ…」

その時、おだやかで澄みきった美しさを湛えた、郁代の面影が浮かびました。

     
      ♪  必ず僕らは 消えていくだろう
         喜びと悲しみを どれだけ残して ゆくだろう
         道ばたで はなが咲いた
         知らず知らず だれかを傷つけてた
         遠くでまぶしい光が 君をみたら泣いてた


         永遠と この一瞬を
         僕らは あいたくて
         ただ あいたくて
         ときのさばくで めぐりあえたね  ♪



あいたくて あいたくて
あえるような気がして
この日記を書いている私なのです。

           
         
             ふきのとう