本が好き

Sちゃんは毎日、学校の図書館から本を借りてきます。
どこへ行くにも、小脇に本をはさんで・・・といっても過言ではありません。
好きなものは好き!という感じなのです。

ハリーポッター」が特に好きなんだそうです。




昨年、新聞の「声」欄にSちゃんを書いたことがあったのを、思いだしました。

私は悲しみの中にいても、多くの励ましに囲まれていたのです。


 
         パズルでつながる 

Sちゃん誕生日おめでとう!


「おばあちゃん、新聞ある?」
近くに住む四年生のSちゃんは、そう言って入ってくると新聞を探す。
土曜日のbeパズルを忘れずにキープしておくのは私の役目だ。
一年生の頃は『迷路』や『間違い探し』がお目当てだったが、
それらは二年生の妹にまかせ、
今では『数独』『漢字クイズ』が得意分野だ。

「きょうのは星四つだよ」☆の数にも注目、難度が高いと一層力が入る。
途中、気分転換として同じ紙面の「サザエさん」を読むのもお決まりコースだ。

古ぼけた土壁を眺め、
「おばあちゃんの家は田舎みたいね」というSちゃんは、
いっときタイムスリップし、おばあちゃんの時代に興味を掻き立てている。

パズルのお陰で、
孫達がおばあちゃんを定期的に訪ねてくれるのかも知れない。
楽しい会話が出来る。

Sちゃんの四字熟語にはいつも驚かされる。

花鳥風月、一期一会、一石二鳥、春夏秋冬…、
いつのまに覚えたのだろう。
会うたびに増えている。

『クイズ』『パズル』の本をいっぱい持っていてもやっぱり新聞を捜す。
新聞のパズルを卒業したら、おばあちゃんのところへやってこないのだろうか?
先のことを考えると私は少しだけ不安になるのだ。

きょうの誕生日、ママの手巻き寿しには「天下一品!」ときた。

拍手喝采だ。

Sちゃん、10歳おめでとう!

                    朝日新聞「声」(2008・3・4)



Sちゃんの二人目の妹が、今年1歳になった「mikuちゃん」で、
ikuちゃん」の生まれかわりだと、私は思っているのです。