新刊『親鸞』

新聞連載小説が新刊されました。

親鸞 (上)

親鸞 (上)

五木寛之さんが新聞や著書でよく語っていられる言葉が、
心に残っています。


親鸞の言葉として「石、かわら、つぶてのごときなる
われらなり」。


親鸞の本質は、名もなき雑草のような一人ひとりがエゴを持ち、
悩みと罪の深さを抱えていることに気づかせる、
個人の発見にあるのではないでしょうか」


五木さんは戦後平壌から引き揚げてきたときのことをよく語られます。
「引き揚げのなかで、善良で心優しき人から脱落していきました。
罪業深重という親鸞の言葉は、
自分の根源のところから共感できるものでした」


「私はある年齢になって『歎異抄』と出会い、
親鸞聖人のことばを聞いて、
そういう悪人でさえも救われるという立場..、
悪人でさえも生きていける自分を、
深く責めつづけながらでも強く生きていく、
そういう道があるんだっていうことを知って、
もうほかには無いだろうという感じがしたんですね」



奥様で、
五木寛之さん著作の装画もいくつか担当されている五木玲子さんの実家が、
すぐ近くなので、
お二人にはとても親近感を抱いているのです。