「はるのかぜ」

孫のSちゃんの通った保育園では、
まどみちおさんの詩”を、卒園式に一人ひとりが暗唱します。
Sちゃんの発表した詩は、「はるのかぜ」でした。

     

    はるのかぜ          まどみちお


    わたしのほほに きてさわる  
    やさしいかぜの ゆびさきに 
    はなのにおいが しみている
    ああ おかあさん もうきてる  
    いつかのおかに  あのみちに  
    はる はる はるが もうきてる


    わたしのみみに きてならす  
    やさしいかぜの おんがくに  
    ことりのうたが ながれてる
    ああ おねえさん もうきてる  
    いつかのかわに あのきしに  
    はる はる はるが もうきてる


    わたしのまどを きてみがく  
    やさしいかぜの ハンカチに  
    きんのひかりが はねている
    ああ おとうさん もうきてる  
    いつかのやまに あのそらに  
    はる はる はるが もうきてる


Sちゃんは、可愛がってくれていた郁ちゃんに
国際電話でこの詩を暗唱していたね。得意そうに・・・。


その年の暮れ、帰国したとき、
あなたは体調の違和感を訴えたのでした。


郁ちゃん、早いものですね。
6年生となったSちゃんは、
もうすぐ巣立ちの時を迎えます。