『Heartful  Books』で書評

「サンデー北九州 東版」は、
発行部数326,000部の地域密着型フリーペーパーで、
書評コーナー『Heartful Books』は、
一条真也さんが担当されています。
2011年2月5日号の第36回では、
私の著書「あなたにあえてよかった」
を紹介してくださいました。


一条さんの思いが伝わってくる文章でした。
遺書を読んで、また涙が出ました。
でも、郁代に会えてうれしかったです。
北九州の皆さんにお会いできて、郁代も喜んでいるでしょう。
有り難うございました。




・・・・・
 著者は、愛する娘である郁代さんをガンで亡くしました。
享年34歳の若さでした。
郁代さんが生まれたときから亡くなるまでの「いのち」の記録が本書です。
 郁代さんは前向きな性格で、周囲への気配りを忘れない女性でした。
旅行会社の添乗員として世界中を飛び回っていましたが、
特にオーストラリアの海を深く愛していました。
 彼女は、余命半年を宣告されたとき、お別れの旅をはじめました。
病身にもかかわらず、国内のみならず海外でも30人のお友達に会い続けたそうです。
 そのことが2007年の日本テレビ
「24時間テレビ」1
「24時間テレビ」2
で取り上げられました。20分ほどの再現ドラマがオープニングで放映されたのです。
そのとき、日本武道館秋川雅史さんが「千の風になって」を歌い上げました。
 本書の冒頭には、郁代さんが御両親に当てたメッセージが掲載されています。
これを読んで、私は涙しました。
生前の郁代さんの人柄がよくわかります。
 わたしは、たとえ34年の生涯だったとしても、心から家族と愛し合うことができた郁代さんとご両親は幸せだったのではないかと思います。


「おとうさん おかあさんへ」


わがままな娘でごめんね。
いつもつっけんどんでごめんね。
口が悪くてごめんね。
心配ばかりかけてごめんね。
親孝行できなくてごめんね。
孫の顔、見せられなくてごめんね。
おとうさん、おかあさんより先に死んじゃってごめんね。


三十四年間という、少し短めの人生だったけど、
おとうさん、おかあさんのおかげで、
楽しく、充実した人生でした。


子どものころから、のびのび自由に育ててくれて有り難う。
わたしを信頼し、やりたいことをやらせてくれて有り難う。
いつも心配してくれて有り難う。
産んでくれて有り難う。
おとうさん、おかあさんの子どもとして産まれてこられて、
わたしはとってもしあわせだったよ。
本当に有り難う。
                            郁代
(亡くなる1か月ほど前に書いたと思われる遺書)