うれしくて泣いています




『ありがとうの花』には、こんな笑えるエピソードも載っていて、
思い出すと楽しくなります。



大変、大変。
書いた日記を保存した(全部のお話も保存した)メモリーがどこかにいってしまいました。
さっきまであったのに、探しても探しても出てきません。
いったいどこに置いたの? どうしてなくなっちゃうの。
講演会の中身も原稿も何もかもが入っているUSBメモリです。困ったなあ。


ということで、特別編のお話しを今から書かせてください。


 宮ぷーはのどに穴があいていて、息が漏れるので声になりません。
でもそれだけでなくて、どうやったら声が出るかわからないので、
なかなか声になりません。
でも、笑ったり泣いたりしたときだけは、たぶん無意識だからだと思うので
すが、声になります。
そしてそのあとは思いだしたみたいに少し声が出るのです。
それで、いつも笑わせようとくすぐったりします。



特別編



ずいぶん昔、ある学校の中学部にいたときのことです。
もっちゃんは野球が大好きです。朝の会ではいつも昨日の野球のお話を教えてくれたし、休み時間はよく二人で野球をしました。
 でもね、私、野球のことぜんぜん知らないでしょう。
だからそばで聞いてる同僚が、二人の会話って漫才みたいやわっていっていつも笑いころげているのです。
二人の様子はそんなおかしいのかしら?


 だってね、もっちゃんが毎朝かならず、言うんです。
「昨日の勝利投手は〇〇です」。
私はその勝利投手っていうのがすごく気にいらないのです。
「ねえ、どうして?どうしてピッチャーだけ、勝利投手なの?
野球ってみんなでするんでしょう?
だったらどうして、勝利キャッチャーとか勝利ファーストとか言わないの?みんな頑張ってるんだから不公平だよ」
でも、もっちゃんはね。
「だめです。ピッチャーだけです」って言い張るのです。
「明日は勝利キャッチャーも言ってほしいな」
なんて言うけど、「絶対にだめです。」と譲ってくれません。
そのうち、「もう」って怒りだしてしまうのです。
私はみんな勝ってるのにどうしてかなあとまだ不思議なのです。


 休み時間二人でよく野球をしました。
たいていピッチャーがもっちゃんで、私はバッターです。
ふたりしかいないから、キャッチャーはいません。
守るのはもっちゃんが兼ねています。
 もっちゃんは投げる前、いつも不思議な動作をします。
首をかしげたり、首をふったり、うんうんってうなづいたりして、なかなか投げないのです。
それも一球ごとにそんなことをするからとても不思議で、
「もっちゃん何してるの?」って聞いたら、
もっちゃんはね、「サインをよんでいます」って言いました。
(あれ?サインって誰がだすんだろう?)そう思って窓の方とか廊下とか見るけど、だれもいないのです。


(もっちゃんと私と二人しかいないから、もしかしたら私が出さなきゃいけなかったのかな?そうそうサインって見たことある。手をゴシゴシしたり、鼻の下こすったりするんだ)
そう思ったからあわてて、もっちゃんのサインをよむ動作にあわせて、
手をのばしたり、ゴシゴシしたり、鼻の下こすったりしたら、もっちゃんが「だめでーす。サインはバッターは出したらだめでーす」
ともっちゃんが言いました。
 けれど、その時には、サイン出すのってけっこうおもしろいって、
私は思っていたので、「私、出したい。私もサイン出させてよ」って言うともっちゃんが、
「だーめーでーす」ってプンプン怒っているのです。
 野球ってずいぶんむずかしいものだなあと思っています。
・・・・


その話をして、勝利バッターとか、勝利監督とかはあるでしょう?というと宮ぷーはすごく笑ってくれて、今日もその話をすると声が出ていました。
あとは、「あのね、お散歩に行くとね。いつもこられているおばさんがね、いちじくのことね。「みみずくちゃん」って呼ぶんだよ。「みみずくちゃんおいで」って言うんだよ。
いちじくですって言うけど、また「みみずくちゃん」って言うよ。
「く」しかあってないよ」と言うと、またいっぱい笑ってくれました。
そして声が出ていました。
わーい。こうして、声が出る機会が増えて言ったら、声の出し方を思いだせますよね。
というわけで、USBメモリーさがしますね。



特別編への感想も載っていました。


 おとといUSBメモリーがなくなったので、突然思いついて、宮ぷーが笑ってくれたおもしろ話を書いたのですが、そのUSBメモリーは、本当に不思議でたまらないんだけど、何度も何度も探したはずのところの目の前にありました。
 でも、そのこともすごくよかったなあと思いました。
だって、みなさんがすごく笑ってくださったから。


・・・・・
かっこちゃん、大笑いしました。こんなに笑ったのは震災以降初め
てのことです。そして、笑ったあと、すごくいい気持ちになりました。かっこちゃん
本当にありがとう。今は笑えたことに涙が出るのです。
                          (岩手の幸さん)



かっこちゃん、私はまたうれしくて泣いています。
私、もう笑えないのかなって思ったりもしていました。
彼のことは、いつもそばにいてくれると思えるようになってきました。
かっこちゃんやメルマガを毎日読んでいることが大きいと思うのです。でも、心の底から笑う事なんてもうないだろうなって思っていました。
彼は野球が大好きだったので、私もよく一緒に応援に行ったり、
テレビ見たりしていたので、一応野球のことがわかります。
かっこちゃんともっちゃんとの会話、
読みながら涙ぼろぼろ流してお腹がよじれるほど笑いました。
私はだいじょうぶです。
本当にそう思いました。
だって、こんなに笑ったもの。
彼も絶対に喜んでくれています。
なくなったUSBメモリーに心から感謝します。           
なくなったことに意味があったけど、もう出てきてあげてください。
                        (岩手の咲き花さん)



かっこちゃん、笑いは何よりの薬です。
かっこちゃんの今朝のメールに大笑いして、とたん、痛かった胃も胸のつかえもすっかりよくなっていることに気がつきました。
震災以来笑うことを忘れていました。
落語より漫才よりもおもしろかったです。元気をありがとうございます。
                        (福島のカノンさん) 


わーい、なんだかおばかな私の話をこんなに喜んでくださるなんて、
うれしいなあ。
私もなくなったUSBメモリーにすごく感謝します。
笑うことはすごく身体に良いことなんですね。
元気いっぱいもらえますものね。