物語の海へ

北國新聞に、五木寛之氏の「物語の海へ『親鸞 激動篇』の連載を終えて」が掲載されていました。 


東日本大震災放射能汚染に触れ、
「いま私たちの前にひろがるのは、荒涼たる風景と、漠たる不安である。
末世、という言葉が今年ほど身にしみた年はない。
このような時代が過去にもあったか。
私の頭の中に浮かびあがってくるのは、一二世紀から一三世紀にかけての世相である。
平安時代がたそがれていき、関東にパワフルな鎌倉幕府が誕生する時代。
それは政権交代と、内乱と、飢餓と、天災と、疫病と、不安の時代だった。
私が親鸞という人物を主人公にした物語を書きたいと思ったのは、
彼がまさにその時代を生きぬいた人物だったからにほかならない」


「いまこうして連載を終えてみると、不思議な気がしてならない。
自分ががんばって書いたのではなく、見えない力によって書かされた、という実感が迫ってくるからである」


「私の中にある親鸞のイメージは物語の大海に船を漕ぎ出す親鸞である。
闇の中に光の海を思い描きながら、全力で漕ぎすすむ姿である」


五木寛之氏はこのように結んでいました。




流罪になった親鸞が上陸したと伝わる浜辺

            記事にある写真



何年か前、私もこの地を訪れましたので、
越後の海が懐かしく思われました。