木が そこに立っているのは

先日犀川に沿って歩いていたら、
大いちょうが陽を浴びてキラキラ輝いていました。
近くに学校がある中学生たち、
この日も大きな木に見守られながら下校するのに出会いました。




         おおくわ橋のそば



その日、新聞にまどみちおさんの詩が載っていました。
             

                木
                      まどみちお


     木が そこに立っているのは
     それは木が
     空にかきつづけている
     きょうの日記です
     あの太陽にむかって……
     一日(いちじつ)一ときの休みなく



[天声人語]16日の書き出しはこうでした。

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昆虫記で知られるフアーブルは『植物記』も書いている。
切り倒された栗の木と会話するくだりがあって、
こんなふうに木が言う。           


「私は70歳になりますが、まだ5、600年は生きるつもりでした。
忌まわしい斧さえなければ」。
そして、樹皮からどっと涙を流した。
・・・・・


先ごろ蘇生が断念された奇跡の一本松に触れ、
まど・みちおさんの「木」という詩がふと重なる、と書かれていました。