雪絵ちゃん ありがとう



2012年4月1日スタートの
白雪姫プロジェクト


かっこちゃんを動かしたものは、「雪絵ちゃんとの最後の約束」でした。
雪絵ちゃんは今日、12月26日に亡くなりました。
雪絵ちゃんの詩を紹介させていただきます。 


   
       ありがとう         
               笹田雪絵


   私決めていることがあるの。
   この目が物をうつさなくなったら目に、
   そしてこの足が動かなくなったら足に、
   「ありがとう」って言おうって決めているの。
   今までみえにくい目が、一生懸命見よう、見ようとしてくれて、
   私を喜ばせてくれたんだもん。


   いっぱいいろんな物、素敵な物見せてくれた。
   夜の道も暗いのにがんばってくれた。
   足もそう。
   私のために信じられないほど歩いてくれた。
   一緒にいっぱいいろんなところへ行った。
   私を一日でも長く、喜ばせようとして目も足もがんばってくれた。


   なのに、見えなくなったり、歩けなくなったとき
   「なんでよー」なんて言ってはあんまりだと思う。
   今まで弱い弱い目、足が、どれだけ私を強く強くしてくれたか。
   だからちゃんと「ありがとう」って言うの。
   大好きな目、足だから、こんなに弱いけど大好きだから
   「ありがとう。もういいよ。休もうね」
   って言ってあげるの。
   多分誰よりもうーんと疲れていると思うので・・・。


   でもちょっと意地悪な雪絵は、まだまだ元気な目と足に
   「もういいよ」とは絶対に言ってあげないの。
   だってみたい物、行きたいところいっぱいあるんだもん。
   今までのは遠い遠い未来のお話でした。
   


雪絵ちゃんは雪の降る12月28日に生まれました。
(この日がお葬式の日になりました。)





       誕生日
                笹田雪絵

   私、今日うまれたの。
   一分一秒の狂いもなく、今日誕生しました。
   少しでもずれていたら、今頃健康だったかもしれない。
   今の人生を送るには、一分一秒のくるいもなく
   生まれてこなければいけなかったの。
   結構これって難しいんだよ。
   12月28日、私の大好きで、大切で、しあわせな日。
   今日生まれてきて大成功!
   「すのう」に生まれてきて、これもまた大成功!
                  ※すのう=雪絵ちゃんのペンネーム





かっこちゃんの「雪絵ちゃんとの最後の約束」とは


・・・・・
最後に雪絵ちゃんと話した日のことを思い出しました。


「かっこちゃん、きょうはどうしても
 聞いてほしいことがあるの。
 いまから言うことは、絶対にダメとか嫌とか言わないで」
と何度も念押しするんですね。


「いいよ、何でも聞くよ」
と言うと、雪絵ちゃんは私にこう言ったんです。


「前にかっこちゃんは病気や障がいは大事だって言ったよね。
 人間はみんな違ってみんなが大事だということも
 科学的に証明されているとも言ったよね。
 それを世界中の人が当たり前に知っている世の中に、
 かっこちゃんがして」


“世界中なんて、そんなこと私には無理”と言いかけた時、
雪絵ちゃんに
「何にも言わないで。何でも聞いてくれるって言ったよね」
と言われて、私は
「分かったよ」
と約束したんです。


そうだ、約束を果たさなきゃ。
この思いが私に再び立ち上がる力を与えてくれました。
そして本や講演を通じて、多くの人にそのことを
伝えたいと思うようになったのです。
・・・・・

雪絵ちゃん ありがとう!!