「きんこんの会」から(2)


第1420号宮ぷーこころの架橋ぷろじぇくと (2013年6月26日)より
(きのうの続きです)
そうちゃんの言葉②


僕が昔、走り回ったときの経験や、ぺらぺらと話していたときの経験が活きる日もあると思うので、それがいつ活きるかわからないけど、
それはそれとして、僕も大切な自分の1ページですが、
今はこの体を引き受けて、新しい人生を歩んでいるので、
両方を生きた人間に何ができるかというのが、次の課題なのかと思います。
今日の話の中で、出生前診断などが出てきましたが、
僕は自分がそういう話に耳も傾けずに、一目散に体を動かしては、遊び回っていた日々を知っているので、
多くの人間がそのようなことに耳傾けないことには、ある種の理解があるのですが、こういう状況になってから、そういう自分を見直すと、
そういうときの自分と比べれば、今のほうが、ものごとを深く考えられるので、今の方が、生きている価値があるように思います。


あの時代は、別に価値がなかったわけではないけれど、まさかこんなに深いものを見る見方があるとか、そういうことについては、思ってもみなかったことなので、とても驚きますが、今日は、本当に驚いているのは、こんなにたくさんの人がいる前で自分がしゃべっているのに、自分の気持ちがまっすぐであることです。
前はじつはおおぜいの人の前に出ると、みんなが僕のことをどう見ているかとか、僕のことを同情していないかとか、
そういう思いが先走ってしまって、見られていることに、たいへん
緊張していたのですが、
こんなに堂々とみんなの前に出ても、心がしていられるということは、
僕もやはりこの自分の状況を、受け入れてきたのだなということを、
自分でも実感します。


少しずつでも、筆談を父さんともできるようになってきたし、
コミュニケーションをまた取返して、自分の言いたいことを、きちんと言っていきたいと思うし、
いろんな夢をその中で、叶えられたと思っています。
僕は幸い、なんとか体調も崩さずにやってこれているので、体調さえ崩さなければ、いろんなことができることもわかってきましたから、
僕はこんな状態になったからといって、中に引きこもるのではなくて、
もっと外に向かってどんどんと発信していける人間になりたいと思っています。
それでは僕は以上で終わります。
本当にみなさんのように、生まれてからずっと、この状況を引き受けてきた人たちには、なんと感謝を言ったらいいのかわかりません。
僕は、みなさんからどれくらい勇気づけられたかわからないので、
本当に感謝しています。


きっと多くの中途障害の人の多くが、いま勇気づけられているはずです。
いま中途障害の人の方が、世の中の理解が進みそうだということで、
先生もけっこう中途障害の人との関係が深まっているようなのですが、
その人たちは、自分たちが新しいコミュニケーション手段を開発してもらった相手が、じつは障害の重い子どもたちだったと聞けば、
そういう子どもたちに対する感謝の気持ちが、必ず湧いているのではないで
しょうか。
自分たちが元気なときには、その人たちの意味もあまり感じなかったけれども、いったん自分たちが、中途障害になって、コミュニケーションに困ったときに、そのコミュニケーションの手段を切り開いてくれた人たちが、
障害の重い子どもたちだったと聞くと、
やはりみな、人生の不思議な真理というか、不思議なものを感じるのではないでしょうか。
僕もだいぶちっちゃかったので、そのへんはだいぶ違うのかもしれませんが、、みなさんに対する感謝の気持ちは、そういうところから湧いてきているので、
きっとこういう機会が世の中を救ったのだと言う時代も来るのではないでしょうか。


もしあらゆる認知症の人や、あらゆる交通事故の後遺症の人たちが、
みんな当たり前に気持ちを持っているということが証明されたら、
世の中はひっくり返るようなことになると思うのですが、
そのひっくり返るきっかけを作っているのが、世の中からみんなが、一番見捨ててきたと言ったら、大変失礼ですが、
見捨ててきた人たちが、世の中を変えたのだということになると思うので、そういうふうな大きな革命のようなことが起こればいいと思っていますが、僕も少しでもできることはやりたいと思っています。
今日もたくさん言わせていただいてありがとうございました。
またぜひ来たいと思うのでよろしくお願いします。
今日もたくさん話させていただいてありがとうございました。
・・・・・
そうちゃんの言葉のすばらしさに胸をうたれます。
そうちゃん自身もお話が出来ることはうれしかったでしょうし、
お父様やご家族はどんなにどんなにうれしかったことでしょう。    
    かつこ


そうちゃんの言葉①


柴田保之先生ブログ
「今、たいへんなできごとに出会っています。
それは、みなさん手を添えれば文字が書けるという事実です」
「意識障害と言われる方々も手を添えれば字が書けること」


追記
「山元加津子講演会」予定表