「親鸞は悩みの天才なんですね」
五木寛之「親鸞 完結編」の新聞連載が、
全国約40紙で7月1日から始まりました。
「親鸞 激動篇」では
師、法然上人に出会って、95日間にわたって煩悶と苦悶の末、
「ただ念仏して、弥陀にたすけられまいらすべし」と、
よき人、法然上人の門下生になられたことをお聞きしました。
「完結篇」では親鸞は京都に帰還、
その師法然上人の御恩に答えるべく「教行信証」を著述します。
九十歳で没するまでの躍動的な親鸞を、
八十歳を迎えた五木さんがつづる予定とのことです。
あくまでもフィクションであって、ノンフィクションではない、
そうも言われていました。
挿絵は、第一部、第二部と同じく山口晃さんですね。
楽しみに読ませて頂いています。
人はなぜ苦しむのか
「親鸞はどん底まで悩む、悩みの天才なんですね」
数年前に(小説『蟹工船』の)小林多喜二のブームがあり、
続いてドストエフスキーが若者にも読まれる風潮がありました。
いま親鸞が大きくクローズアップされているのは、
人間の根源的な悪を問う思想と信仰が、
時代の注目を集めているのではないでしょうか。