「遠い道でもな 大丈夫や」

見上げれば ざくろ


「最重度の障害児たちが語りはじめるとき」中村尚樹著・(草思社)では、
山元加津子さんも何度か紹介されています。

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『ぼくは知的障害ではない』

大ちゃんとして紹介されている原田大助さんは、
山元さんの養護学校での教え子であり、詩集も出版している詩人である。

次の詩は、春の遠足にでかけたとき、いつも遅れてしまう大ちゃんを
「さっさと歩かなきゃだめなんだよ」
と山元さんが注意した翌日、作った詩だという。

「遠い道でもな 大丈夫や 
一歩ずつや
とちゅうに 花もさいているし 
とりもなくし
わらびかてとれるやろ」

こうした詩を発表すると、
「僕らでも作れんような詩、なんで養護学校の子が作れるんや。
大人が作ったか、手伝ったにきまっとる」
などと中傷する人が必ずいるという。

それを聞かされた大ちゃんは次のように言ったという。
朝顔の種は、黒いけど、
青い花が咲く、赤い花が咲く。
だからぼくは詩を作る」
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山元加津子さんのHP
「たんぽぽの仲間たち」に、
大ちゃんの詩のページがあります。


「おこることは いっぱいある。
悲しいことは いっぱいあります。
きれいな雪がたくさんふって
いっぱいを
みえなくしてくれたら いいな」