『滝の白糸』朗読会

『2013ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭』が始まっていて、
「朗読 石川のロマンの調べ」を聴きに行ってきました。
「入場券あるから行かない?」
毎日のようにうれしいお誘いがあるのです。

女優で劇団朗読座を主宰する紺野美沙子さんらが、
生誕140周年を迎えた泉鏡花の作品を、音楽と映像を交えての朗読です。

ピンクの和服がよく似合った紺野さん、
鏡花の幻想的な文学世界を情感たっぷりに表現しました。

原作「義血侠血」より 『滝の白糸』の朗読、
高岡が出発点で、金沢が舞台です。

卯辰橋、兼六園、裁判所・・・
日頃歩きなれた場所が次々に出てくるので、とても楽しめました。

卯辰橋(天神橋) 

浅野川に沿った鏡花の道には、滝の白糸の姿をかたどった像が建っています。
『水』と表示したところに手を当てると、水が出て水芸が始まります。

滝の白糸碑


☆あらすじ
水芸の太夫、滝の白糸は商売敵である南京出刃打の寅吉一座とことごとく対立していた。
ある日二人は人力車と馬車で争ったが、白糸の乗った馬車は途中で故障。
しかし南京寅の人力車が馬車を追い抜くと同時に白糸を抱いて馬に乗り、まんまと南京寅を見返したのが客馬車で生計を立てていた村越欣弥であった。
村越が忘れられない白糸は金沢の卯辰橋(うたつばし)で再会した時に、
法律を学びたいという彼の思いを知って学費を出すことを承知させる。

しかし白糸の人気が以前ほどでなくなり大学卒業を目前とした頃にはその学費に困るようになる。
ある夜、やっと頼み込んで興行師から借りた金を、待ち伏せていた南京寅に奪われてしまう。
放心した白糸はたまたま木戸の開いていた金融業の家に入り、その老夫婦を殺めて金を取る。
その現場に落ちていたのが襲われたときの南京寅の出刃だったため寅吉が捕まり、証人として白糸も裁判所に出廷を命じられる。
その証人台に立った白糸の目の前には学業を終えて初めて検事席に立つ村越がいた。
切々と真実の大切さを説く村越の言葉に白糸は凶行を自白し、舌を噛んで自殺する。


朗読会の前半には、
絵本「化鳥」に収められた絵が大画面に映し出され、
短編小説「化鳥」が、朗読愛好者のみなさんによって朗読されました。


郁ちゃん
昨年より3日早く、きのう金沢で初雪でした。