風にふかれながら

先日、浅野川大橋付近で乱舞するユリカモメを見たのですが、
晴天の昨日撮りに行ったら、会えたのはこの一羽だけでした。
撮鳥見鳥さんのと同じかなあ?(後に「セグロカモメ」と教えていただきました。)


吉野弘の“祝婚歌”知ってる?
昨夜(23日NHK)テレビで聞いたんだけど、
とても感動したから教えてほしいの」
近所の友人からの電話でした。

「最近、なんか私、偉そうになってきたなと思っていてね」
「そう、そう、私も身に覚えがあるよ。
以前、ブログにも書いたことあるので、すぐプリントするね」

吉野弘さん 87歳で1月15日に亡くなられました。
その後メディアでいろいろ取り上げられています。
教科書に載った詩もあり、
わかりやすい言葉で多くの人に親しまれていますね。


「互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい」
私にぴったりの言葉、心に沁みます。


祝婚歌』  吉野 弘

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい

立派すぎることは
長持ちしないことだと
気付いているほうがいい

完璧をめざなないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい

二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい

立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい

健康で風にふかれながら
生きているなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい

そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい


☆ 吉野弘 「生命は」も忘れられません。