拝まない者も おがまれている
歩いていたら、お寺の掲示板で見かけました。
拝まない者も おがまれている
拝まないときも おがまれている
東井義雄(とおいよしお)
地蔵峠と呼んでいる坂道は、とても自転車のペタルを踏んでは走れません。
自転車を押して坂道を登ることになります。
そしてお地蔵さまの前までくると、いつもハッとします。
お地蔵さまが合掌して、私をおがんでくださっているからです。
私がご挨拶も忘れて、風を切って走り過ぎたときも、
お地蔵さまはおがんでくださっていたにちがいないのです。
ハイヤーに乗って「ご挨拶」も考えず、ふんぞり返っていたときにも、
お地蔵さまは、おがんでくださっていたにちがいないのです。
そんなことに気がついて、申しわけない思いでいっぱいです。
こちらが掌を合わせるよりも先に、
お地蔵さまはおがんでくださっているのです。
『拝まない者も おがまれている』東井義雄著より