「子どもが一番望んでいることは、親の笑顔です」

昨夜のNHK番組「君が僕の息子について教えてくれたこと」、とってもよかったです。
デイヴィッド・ミッチェルさんの表情が、なんともやさしくて胸に迫りました。
感動とかを通り越して畏敬を覚えました。

番組が作られたのは、東田直樹さんの書いた本が、
世界20カ国以上で翻訳され、ベストセラーになったからでした。

そのきっかけを作ったのが、
アイルランド在住の作家デイヴィッド・ミッチェルさんで、英訳本のタイトルは、

「The Reason I Jump」


ミッチェルさんにも自閉症の息子さんがおられ、この本に衝撃を受けました。
「息子からの語りかけのように思いました」と。
そしてあらゆる方法で、積極的に宣伝されているのです。
各国のメディアが取り上げるようになりました。


日本題
自閉症の僕が跳びはねる理由

「僕たちは、自分の体さえ自分の思い通りにならなくて、
じっとしていることも、言われた通りに動くこともできず、
まるで不良品のロボットを運転しているようなものです。
いつもみんなにしかられ、その上弁解もできないなんて、
僕は世の中の全ての人に見捨てられたような気持ちでした。

僕たちを見かけだけで判断しないで下さい。
どうして話せないのかは分かりませんが、僕たちは話さないのではなく、
話せなくて困っているのです。
自分の力だけではどうしようもないのです。

自分が何のために生まれたのか、話せない僕はずっと考えていました。
僕は筆談という方法から始めて、
現在は、文字盤やパソコンによるコミュニケーション方法を使って、
自分の思いを人に伝えられるようになりました。

自分の気持ちを相手に伝えられるということは、
自分が人としてこの世界に存在していると自覚できることなのです。
話せないということはどういうことなのかということを、
自分に置き換えて考えて欲しいのです」


東田直樹さんの紡ぎ出す言葉がとても美しかったです。

「僕のために 家族の誰も犠牲になっていないと、
子供時代の僕に思わせてくれたのが、僕の家族のすごいところです。
昔は自然と一体になるのが幸せだったけど、
今は家族と笑っているときや僕の本の感想を聞いている時が幸せです」

デイヴィッド・ミッチェルさんの質問
自閉症の息子に、僕ができることを教えてください」
に対しては、
「子どもが一番望んでいることは、親の笑顔です。
今のまま、そのままがいいのです」

「ものには美しさがあります。
僕らはその美しさを自分のことのように喜ぶことができるのです」

「成功とは程遠いように見えてる人の目にも美しい山は見えています」


「桜は大好きだけど、美しすぎてじっくり見ていられない」

この言葉に胸がいっぱいになりました。
郁ちゃん、きょうもあなたに会えました。