自由の女神

近くの梨畑、収穫を迎えています。

白雪姫プロジェクト の「みんなの広場」にもある西嶋さんのブログ「夢の雫」、
とても素敵な文章だなあと、よく読ませていただいています。

NHKで放送された東田直樹くんの番組、「君が僕の息子について教えてくれたこと」の感想を書かれていましたが、
かっこちゃんもメルマガで紹介されていました。

「夢の雫」から自由の女神

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昨日、東田直樹くんを中心としたNHKの特集番組「自閉症の君が教えてくれた事」を見た。
はじめて「きんこんの会」 へ行った時以来の衝撃だった。

すべてを象徴的に表していた出来事が番組ラストシーンにあった。

東田くんがニューヨークで講演をひらくということで出かけて、
そして自由の女神をながめていた。
東田くんは「自由の女神のように、空にむかってまっすぐと生きていきたい」と語った。
その瞬間、僕は自分のダメさにうんざりした。

彼の「目」は、見たものをそのまま心へ伝達することが出来る。
この瞳は、人類が必要としている心の窓だ。
ゆがみのないレンズが磨き上げられてそこにある。

本来同じ機能があるはずの僕の目は、どうもゆがんでいるし、
汚れて曇っていたようで、ありのままの光を通してくれない。
レンズがゆがんでいる上に、処理過程で別の情報が混ざり込んでしまっていたようだ。

多くの人が描く「太陽」の表現=「○」と放射線状の「ー」・・・のように、
あるいは「富士山」の形を多くの人たちが似たような形で描くように、
僕は「自由の女神」をいつのまにかただの符号として捉えてしまっていたということに気がついた。
頭を殴られた感じで、ガビーンとショックを受けた。
何やってんだよ俺・・・という感じだ。

積み上げられた情報を気にしながら、それを見たとき、
人は「それ」そのものを見ているわけではないということだ。
レンズのゆがみ、汚れ、情報処理過程の別情報の紛れ込みなどが、
何も考えていないつもりでも、頻繁に起きているのだ。

かっこちゃんがいつも言っていた、遷延性意識障害は全く治らないということではない。
時間がとてもかかるけど、その分、どこまでも、どこまでも治っていく病気だと。

・・・この事実について、かっこちゃん自身は養護学校の現場にいた経験で知っていたけれど、お医者さんたちは学問の常識が前提にあって、
学問はそれを否定する立場にいたため、事実を知らない場合がある。

だから、知っている人が、それを一人でも多くの人に知らせないとならないということを、
いつも講演で話されています。

それが白雪姫プロジェクトなわけだけど、
この東田くんのアプローチも、
そして「きんこんの会」も、まさに同じ意味をもっています。

昔僕たちは、激しい運動の時にも、水を飲んではいけなかった。
そういう常識があった。
今から考えたら、どれだけ非常識なことだろうか。

障がい者への考え方も、東田くんの本が世界中でヒットしたり、
こうやってNHKで取り上げられたり、
そして「きんこんの会」や「白雪姫プロジェクト」や、
そういった活動が重なり合って、時間をかけて変わっていくのだろう。

慌てることはないけど、本当のことは、ちゃんとゆがまないで、
まっすぐ世界中の空に向って伝わっていってほしい。
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NHK番組「君が僕の息子について教えてくれたこと」
再放送があります。

① 8月 28日( 木 ) NHK総合1  午前1時30分

② 9月 13日 (土) NHK総合1  午後3時05分