『試練に耐える』

市内中学生の書展でもあるのでしょうか。
「おばあちゃん、お手本書いてくれない?
先生から“書いてきてね”と手本と紙を渡されたの・・・」
中学3年のAちゃんがこれまでで初めて、条幅で大きな字を書きました。
いくつものお手本からAちゃん自らが選び、一人で書いたのは・・・


136㎝×25㎝
(練習作品・曲がっているのは写真のせい)

時々、孫の成長のメモ代わりに撮っておきます。

小学生のころから私が習字のお手本を毎月取り寄せ、
Aちゃんが姉のSちゃんの横で一緒に書く。
練習中は「ここの“おさえ”がいいねえ〜」「この“はね”がうまいねえ〜」と、ひとこというだけ。
作品を送り続けると、5級・・・特級・・・初段と少しずつ(自動的に?)上がっていく仕組みです。
なんでもすぐに飽きるAちゃんは2〜3枚書くと「これでおしまい!」と、
さっさと遊びに行くのでした。

中学3年になると受験を口実に習字もやめていたのです。
そのわりには、「勉強わからん・・・」とのんきなもの、
よく笑わせてくれます。
キラキラ洋服が大好きなおしゃれさんで、
「ママ、洋服買いたいから、アウトレットに連れて行って!」とせがんでいたっけ。

昨日は寝食・・・いや夕食も忘れ、6時間ほど頑張ったのですから、
皆が驚いたのも無理はありません。
「こんなAちゃん初めて見た」と。

まだ習字の言葉とAちゃんのイメージが一致しないんだけど、
確かに『試練に耐える』Aちゃんがいましたからね。


「Aちゃん、やるねえ〜」
郁ちゃんの声が聞こえたように思いました。

保育園の時、シドニーへ電話したね。
「いくちゃん、飛行機に乗って運動会見に来て!」(3歳)
「晴れたら見に行くね」
郁ちゃんは返事に困っていたよ・・・。
  
保育園の卒園式にAちゃんが発表したのは、「うさぎ」だったね。
家で療養中だった郁ちゃんも参加して聞いてくれたね。
郁ちゃんは「うさぎ」になってその年の8月、お月様へ跳んで行ったよ。

あれから9年たちました。

    うさぎ           まどみちお

    うさぎに うまれて 
    うれしい うさぎ
    はねても
    はねても
    はねても
    はねても
    うさぎで なくなりゃしない 

    うさぎに うまれて
    うれしい うさぎ
    とんでも 
    とんでも
    とんでも
    とんでも
    くさはら なくなりゃしない