慈悲にくるまる身は安きかな

赤尾の道宗を訪れた旅行では、前日に高山別院をお参りしました。
これまでにも何回か訪れています。

こちらでは、2011年から「中村久子展」が常設されているのです。



三重苦を乗り越えた「奇跡の人」ヘレン・ケラー女史から、
「私より不幸な、そして私より偉大な人」という言葉を贈られた中村久子さん。

幼少時に「特発性脱疽(とくはつせいだっそ)」になり、
両手両足を切断した彼女は、苦難と悲痛に満ちた人生を歩み始めます。

しかし、彼女を支えた人々や『歎異抄』との出あいをとおして、
苦難の境遇と障がいの身の事実を真正面から引き受けて、
力強く人生を生き抜かれました。

彼女の生き様は、国・民族・文化・宗教・貧富・障がいの有無などの差異(ちがい)を越えて、現代に生きる私たちに、
「いのちの尊さ」や、
「人として生まれ、人として生きていくことの深い意味」を
鋭く問いかけてきます。

  「手はなくも 足はなくともみ仏の 慈悲にくるまる身は安きかな」

         
 
〜久子さんの言葉〜

 「良き師、良き友に導かれ、
  かけがえのない人生を送らせて頂きました。
  今思えば、私にとって一番の良き師、良き友は
  両手、両足のないこの体でした」


  「人の命とはつくづく不思議なもの。
   確かなことは自分で生きているのではない。
   生かされているのだと言うことです。
   どんなところにも必ず生かされていく道がある」

  「すなわち人生に絶望なし。
   いかなる人生にも決して絶望はない」