医学論文に載った手紙 2

昨日の続きです。

文部科学省特選、ドキュメンタリー映画
「僕のうしろに道はできる」に登場する宮田俊也さんの元同僚山元加津子さんが、
経過をメルマガで発信し始めたところ、
その目覚ましい回復ぶりが、新聞テレビで取り上げられるようになり、
感動のメールが“次々に”かっこちゃんへ届くようになってきました。

医学論文「意識障害の成因と神経系脱分極現象」  柳本広二の後半より

〈別の方よりのメール〉
 「どきどきしながら、かっこちゃんの宮ぷー日記を転送しました。
実は、私の舅が脳梗塞で倒れて、宮ぷーの以前の状態にあります。
もう二年半になります。
みんなあきらめて、とにかく、病室が清潔で、少しでも過ごしやすくと、
洗濯掃除などはみんなでまめにしているけれど、
ときどき、親戚がそろっておじいちゃんのところへ行くと、
誰かが必ずベッドの前で「何も分からなくなってしまって」とか
「お酒をやめさせようとしてもやめなかったから、自業自得みたいなところがある」ということをみんな平気で言うのです。

でも、私は、おじいちゃんはみんなわかっているんだと思えてならないので、
一番仲良しの、主人の妹に転送しました。
おじいちゃんのことは何も言わないでメルマガを転送しました。
そうしたら、びっくりしたことにかっこちゃんのメルマガ、もう読んでいて、(なんと私より先に読んでいました)初めて、腹を割って話せたんです。
義妹も私と同じことを思っていることがわかって、
一緒におじいちゃんの意思を伝達する方法を探すことになりました。
これから頑張るので、いろいろと教えてください。

〈後日〉
 かっこちゃんやりました。私たち3人の大計画は大成功です。
こんなに成功するとは正直思わなかったよ。
主人の妹が声を掛けてくれて、みんなで病室にそろったときに、
私が、じいちゃんに声を掛けました。
「じいちゃん、今日はお盆だから、みんなでそろってじいちゃんところ来たよ。じいちゃん、イエスは一回、ノーは二回パチパチで返事やよ」
と言いました。
それを聞いて、じいちゃんがさっそく一回目をパチとして返事。
主人の兄が
「えー、父さんわかっとるんかい?」
と言うと、またじいちゃんがパチ。
「うそやろ、わしのこと、だれかわかるか?」とパチ。

もうそれからは、私と主人の妹で、計画していた内容なんて、
全然関係なくなって、妹が主人の兄の名前をあかさたなのスキャン(注:あ、か、さ、た、と行名を読み上げる途中で本人が“止める合図”を送り、次にその行にある文字を読み上げて、その途中で本人が再度“止める合図”を示すことで一つの文字を選ぶ方法)をして、
まばたきで聞いて、もちろん正解。

みんな大騒ぎになって、全員で号泣。
じいちゃんにすがって泣いていました。主人なんて、
「なんでもっと早く言わんかったんや」って私に言うんですよ。
でも、本当は言ったんですよ。

主人に黙っていられなくなって、ある夜
「もしじいちゃんが全部わかっとるとしたらどうする?」
って聞いたら、
「ありえん話するな」って言われて、
主人は晩酌やめて部屋に行ってしまったんです。
主人は、何でもできる父親がずっと誇りだったんですよね。
だから、すごく心を痛めてるんだなあってわかっていました、
触れちゃいけないことだったんだって思って。

でも、もうすぐそれが喜びに変わるんだからいいやって思いました。
主人は4人兄弟で、兄と姉と妹がいます。
それから、じいちゃんの弟はまだまだ元気なんです。
「全部わかっとるんやったら、毎日来て話をする人いるやろう」
と主人が言ってくれて
それで、主人の兄は東京にいるから難しいけれど、じいちゃんの弟と、
弟のお嫁さんと妹と姉と私と主人とで、
交代でじいちゃんのところに行くことに決まったんですよ。
ただ、じいちゃんの目がしょっちゅう小さくパチパチと動いていて、
大きくパチっとしたときがイエスのパチだから、
誰でもはまだできないと思うけれど、
とにかくかっこちゃん、すごいお盆になって、
夜にかっこちゃんと宮ぷーの話で盛り上がって、
主人はみんなに「いい嫁や、幸代のことは大切にせんとな」
って言われちゃったんですよ。

かっこちゃん、宮ぷーさんのおかげで、去年までと違った素晴らしいお盆になりました。
病院にテレビも入れてもらえることになったし、
それも主人の提案なんです。
なんか主人のこと、のろけちゃってすみません。

夜眠るときにね。私にね。
幸代、ありがとうなって頭なぜてくれたんです。
最高に幸せです。
かっこちゃんありがとう。

〈その後〉
 「かっこちゃん、今日はまた感動の嵐でした。
決まった言葉はもう作れるようになったので、
さっそく自由に言葉を作ろうということになって、
おじいちゃんに“同じ方法で、行くからね。
言いたいことがあったら、目を3回瞬きしてね”
と言ったのです。(略)
私が“おじいちゃんに意識があったのに、長い間気が付いてあげられんかったことごめんね”
と言ったあとに、おじいちゃんが3度瞬きをしました。

「言いたいことあるんやね」と“あかさたな(スキャン)”をし
たら、おじいちゃんは“い・い・よ、あ・り・が・と・う”
と言ってくれました。
初めておじいちゃんが作ってくれた言葉は、昔のままのおじいちゃんの言葉でした。
昔から、嫁の私にはとても優しい方でしたよ。

かっこちゃん、こんな感動をありがとう。
かっこちゃん、日本中に世界中に、
おじいちゃんのように意識があることも気が付いてもらえない人が大勢いるはずなのです。
きっとメルマガを読んでおられる方の身近にも、
知らないだけで、そのような方はたくさん居られると思います。
広めてほしい、私も広めますね。
かっこちゃんありがとう。」

明日に続きます。

手紙 1