留守番をする一年生

朝の登校時、大通りの交差点まで一年生のみくちゃんを送っていきます。
「ぼくも、おばちゃんと一緒に行きたい!」
そこへ、近くへ引っ越してきた一年生のN君が加わりました。

人懐っこい、元気な男の子。
「お父さんとお母さんがリコンしたから、引っ越してきたんだよ」
「五歳の弟と三歳の妹は保育園へ行ってるよ」
身近な出来事を誰かに話したくてたまらないようです。

学校が終わると学童保育へ行き、六時ごろ帰ると一人で鍵を開け留守番をします。
お母さんは忙しく、下の二人の子と一緒に帰ってくるのは夜九時ごろ。
「ぼくが保育園の時、夜11時まで(園に)いたことがあったよ」
と言います。
公設の夜間保育所があるのです。

「どうしても困ったときはおばちゃんの家においで」
と言ってあるのですが、お母さんとの交流がまったくないので、
勝手なことはできません。

熱が出て学校を早退した日のこと、
鍵を忘れてきて家には入れない・・・
お母さんに電話もかけられません。

そんな時、「おばちゃん、家に入れない・・・」とやってきました。
子どもに電話番号を聞き、一応お母さんに電話します。
お互いの家は知っているのです。
「家に入れないそうなので、お子さんを預かっています」
「私も今忙しいのです!2時間ほどしたら一度帰ります!」

お母さんは鍵を開け、子どもを家に入れると、また仕事へ行きました。
あまり関わってほしくない、という雰囲気が伝わってきます。
「ありがとうございました」と機械的なひとことだけ、
取りつく島もありません。

私は子どもを守りたい。
「お母さん頑張っているね」と、お母さんを応援したい。
けれど、ここが難しいところなのです。

一年生の子供にとって、鍵の管理は大変です。
想定外の事が起こっても、電話を持っていないので、
お母さんに相談できず、まわりに知り合いはいません。

駆け込んできたことがこれまでに4〜5回ありました。
私がいる時でよかったなあと思ったものです。

できればお母さんと仲良くしたいのですが・・・。
その時のお子さんの事情もわかってほしいので。

子どもが路頭に迷った時の対応、難しいです。