金沢の用水
近くの公民館であった歴史講座、「金沢の用水」を聴講しました。
講師は金沢市の歴史専門員。
金沢の用水の特徴は、他の都市と比べものにならないくらい数が多く、
それぞれの用水が家と家の間をぬけて、網の目のように流れていることです。
また、水がきれいで、水の量が多いことも特徴で、
街並みにうるおいと安らぎをあたえてくれています。
現在市内の用水の数は全部で55、
長さを全部合わせると約150kmになるといわれています。
その環境を守っていくため、市は1996年に用水保全条例を制定。
ふたの架かった地下水路が多かったのですが、
せせらぎが見えるように景観面の整備も進めてきました。
ウオーキングが趣味の私は、市内どこを歩いてもはりめぐらされている、
きれいな“せせらぎ通り”にいやされているのです。
辰巳用水 兼六園曲水(5月)
鞍月用水 香林坊繁華街の裏通り
大野庄用水 長町武家屋敷周辺
兼六園に流れこむ辰巳用水は1632年、
3代目藩主前田利常が板屋兵四郎に命じて金沢城の防火のために造らせたものです。
辰巳用水は全長約10kmの用水で金沢城の防火以外にも城内での生活の水や、金沢城の堀のための水にはもちろん、農業用水としても利用されていました。
辰巳用水は東京都西多摩郡の玉川上水、
静岡県裾野市の箱根用水とともに日本三大用水の1つといわれていますが、 「380年前もの昔に掘った隧道」が、
現在でも残っていて使われているのは日本では辰巳用水だけとの事です。
二つの川の流れと用水のある街並を、毎日普通に歩いているわけですが、
先人の大変な苦労と、清流を懸命に守り続ける人たちがいることを、
忘れないようにしたいものです。
金沢市民の歌には二つの流れが真っ先に出てきます。
1、朝日にはゆる白山の
雄姿は空にそそり立ち
流れゆたけき犀川や
かげ静かなる浅野川
そのふところに育める
われらが都 金沢市