“加賀友禅”はエライ!

幼児水難のニュース、今も胸が痛んでなりません。

・・・3月24日夜、香川県三豊市のため池で5歳の男の子が浮いているのが見つかり、
約1時間後に死亡が確認された。
現場の池では5年前にも男の子の姉(3歳)が亡くなっている・・・

あれは、10年以上前のことです。 
私の散歩道、浅野川を歩いているとき、
前日の大雨による水深120㎝の濁流に流された幼児が、
「たすけて〜」と叫んでいたのです。
階段を下りていつものように水辺で遊んでいたのでしょう。


私が助けたことになっていますが、実は助けたのは“友禅流しの杭”だったのです。
もっといえば、
たまたまそこを通りかかったのは、私を超えた仏様の計らいでした。

流されたとき、残されていた杭に腕が偶然巻き付き、
5歳の男の子は必死でつかまって、勇敢にも叫んでいました。
「助けてあげるからねえ〜」
私は少し水泳が出来るので川の中央までゆっくり歩いて行き、
男の子を抱くようにして岸へと戻りました。

かつては、このあたり一帯で“友禅流し” による染の糊落しが行われていましたが、
現在は工場内での作業となり、
浅野川で続けておられるのは少数の方でしょうか。

「助けたのは私ではなく“杭”です!」
と言っても聞いてもらえず、強引に人命救助の表彰を受けることに・・・。

北陸新幹線番組では着物姿のタレントさんが、
よく「加賀友禅」を紹介されていますね。
でもまさか、“友禅流し”が人を救ったとは誰も知らないでしょうね。

郁ちゃん
加賀友禅の振袖姿の、成人式や卒業式の写真が残っています。

この年の暮に帰国した時、あなたが体の不調を訴えたので、
水難事故を忘れることはありません。

金沢の友人が“このニュース”を遠くのあなたに伝えたらしく、
「お母さんがヒーローになった!」とはしゃいでいた、と、
オーストラリアの友人からずっと後で聞き、涙しました。

暖かくなってきました。
浅野川に沿って歩きながら、
そろそろ水辺パトロールを始めなければなりません。

兼六公園近くにある、「加賀友禅伝統産業会館」HPより
匠は語る
ギャラリー 
着物着用、染め体験もできますよ。