嬰児のほほ笑みが真の出会いをもたらし、
われわれを深く慰めてくれる・・・に、肯くばかりでした。
〈折々の言葉〉56 鷲田清一
貧しさこそ、真の出会いに必要であるということは、
われわれを深く慰めてくれる。
霜山徳爾
聖書の「心貧しき人は幸いである」をはじめ、
多くの宗教が貧しさの深い意味を説く。
この臨床心理学者は、その貧しさをなんと嬰児(えいじ)のほほ笑みに見る。
「自らに閉じこもらず、といって世界とのかかわりで全く一定に決められてもいず、相対的で、満たされない不十分な状態」、
つまりは「きわめて貧しい素朴な態度」だけが出会いを可能にする、と。
「仮象の世界」から。
2015.5.24