生きているということ

郁ちゃん、あなたに会えるこの道
崖の上の家にはザクロの花も咲いていたよ。


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その先は・・・県立音楽堂コンサートホール、
谷川俊太郎さんと斎藤惇夫さんのビッグ対談があったのです。

日本保育協会の全国保育研究大会が24日から開催されていて、
26日の最終イベントに、かつての会員として参加させてもらいました。

斎藤惇夫(さいとうあつお )さんは福音館書店の元編集部長、児童文学者。
福音館書店は金沢が発祥の地なんですね。
全国大会3日目になると参加者は半減すると言われますが、
ほとんどの参加者、800人以上が熱心に耳を傾けたのでした。

谷川俊太郎さんが対談の中でいくつか読んでくださった詩のひとつです。


生きる   
       谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木漏れ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること

あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ

いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ

いまいまがすぎてゆくこと

生きているということ
いま生きてるということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ

人は愛するということ

あなたの手のぬくみ
いのちということ