最後の大きな働き

海 


親戚の葬儀があったのですが、
亡くなることで父は最後に大きな働きをしたように思いました。

父との確執があって、息子(甥)は家族を避けひとり暮らしをしていました。
親戚との付き合いも薄く、どうなることかと心配しましたが、
喪主を引き受け、アドバイスを受けながらなんとか無事役目を果たしました。

その間、多くの親族が協力してくれた姿を目のあたりにしたはずです。
延べ300人以上の参会者の対応、母と二人だけでは到底無理なことでした。

嫌っていたはずの父が、たくさんの人に慕われていたという、
別の側面を知ることにもなりました。

自分は人付き合いが苦手だから、会社の同僚に葬儀の参会者はいないだろうと思っていたのに、予想外に多くの方が来てくださいました。

次第に甥の表情は穏やかになり、自信を取り戻し、
積極的に親族や参会者と交流するようになりました。

死んだ人にしかできない役割・・・
お金を出しても買えないものがあるのですね。