生まれてくれてありがとう

「あなたにあえてよかった」表紙                   

  郁代撮影

郁ちゃん
命日の今日、朝早くシドニーの会社からメッセージが届きましたよ。
かわいがってくださった上司のエディーさんの指示で、
秘書の斉藤さんがくださいます。
感謝の気持ちでいっぱいになりました。

10年間一度も忘れずに・・・私なら考えられないことです。

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おはようございます。
今年の日本の夏は例年にないほど厳しい暑さと聞いておりますが、
体調など崩さずお元気にお過ごしでしょうか。
シドニーも今年はことのほか寒い日が続く厳しい冬ですが、
少しずつ暖かい日が増えてきたように感じます。

さて今年も郁さんの命日に合わせてご連絡をさせて頂いています。
11回忌ですね。
先日も林さゆりさんと某所でお会いして昔話に花を咲かせました。
エディーさんも相変わらず、いつもこの時期と言わず事あるごとに、
郁さんの優秀さを引き合いにして我々を叱咤激励してくれています。

残暑厳しいことと思いますがどうかご自愛くださいますよう。
斉藤
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ドクターストップのかかった身体でお別れの旅に出かけた、
なつかしのシドニー・・・
8年間過ごした会社の皆さんからと思うだけで、どっと涙があふれました。
シドニーは日本と正反対で、厳しい冬の最中なんですよね。

この世で、郁ちゃんに出会えたことが不思議でなりません。
遺されたあなたからの手紙を読み、あなたに出会っています。

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おとうさん おかあさんへ

わがままな娘でごめんね。
いつもつっけんどんでごめんね。
口が悪くてごめんね。
心配ばかりかけてごめんね。
親孝行できなくてごめんね。
孫の顔、見せられなくてごめんね。
おとうさん、おかあさんより先に死んじゃってごめんね。

三十四年間という、少し短めの人生だったけど、
おとうさん、おかあさんのおかげで、
楽しく、充実した人生でした。

子どものころから、のびのび自由に育ててくれて有り難う。
わたしを信頼し、やりたいことをやらせてくれて有り難う。
いつも心配してくれて有り難う。
生んでくれて有り難う。

お父さん、お母さんの子どもとして生まれて来られて、
わたしはとってもしあわせだったよ。
本当に有り難う。
                  郁代 
・・・・・・  

お母さんの子どもに生まれてくれてありがとう。 
 
ありがとう。 
 
ありがとう。