ほがらかとは・・・

ピーナツ畑


〈折々のことば〉 135          鷲田清一

ほがらかとは、恐らくは、
悲しい時には悲しいだけ
悲しんでられることでせう?
                      中原中也


「ほがらか」とは、明るく光るさま。
悲しみが明瞭すぎて、惑うところがない。
それほどにくっきりと悲しい。
そんなときはむしろ悲しみにとことん浸ること。
それしかできないし、そのほうがいっそさわやかだ。
詩「酒場にて」から。
そういえば「私の上に降る雪は/いとしめやかになりました……」という一節も中也にはある。
                                        (2015.8.17)