木曽路の旅

 「木曾路はすべて山の中である。
あるところは岨そばづたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾を巡る谷の入り口である。
一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。」
                                (島崎藤村『夜明け前』より)

昨夜、木曽路の旅から帰ってきました。

中山道馬籠宿(まごめじゅく)、
石畳の坂道をほぼ半分ほど登った所に藤村記念館があります。
ここは、かつて島崎家の本陣があった所。

黒く写っているのは冠木門(かぶきもん)と黒板塀。
冠木門とは門柱に梁をかけた屋根のない門のこと。
塗られたススと柿の渋は防腐剤の役目をするらしい。

改めて、藤村の作品を読んでみたくなりました。


隣接する妻籠宿(つまごじゅく)も歩きました。
妻籠を代表する景観の寺下地区です。

妻籠宿は、中山道42番目の宿場(→中山道六十九次)で、現在は長野県木曽郡南木曽町。蘭川(あららぎがわ)東岸に位置する。
隣接する馬籠宿(岐阜県中津川市)と、馬籠峠を越える旧中山道史蹟と合わせて木曽路を代表する観光名所として名高い。

経済成長に伴い全国の伝統的な町並みが姿を消してゆく中、いち早く地域を挙げて景観保全活動に取り組んだことが評価され、1976年、国の重要伝統的建造物群保存地区の最初の選定地の一つに選ばれた。