ルーブル美術館展

お寺巡りをする仲間との年一度の旅行では、東本願寺を参拝した後、
京都市美術館で開催中のルーブル美術館展、行ってきました。

チケットにも載っている、ヨハネス・フェルメールの 「天文学者」が、
話題を呼んでいますね。
この絵の前は特に人だかりで、ゆっくり見れないほどでした。


「郁代がお母さん一人だけの添乗員になって、
ヨーロッパ旅行してくれないかなあ」

郁ちゃん、あなたと出かけた思い出のヨーロッパ旅行では、
フランスのルーブル美術館も見学しましたね。


wikipediaより

ロンドン発のツアー客は全員欧米人で、英語だけに囲まれての私の10日間。
私との約束「通訳するから」はほとんど守られなかったのですが、
それでも私は充分しあわせだったのです。

遠くにいて家族と過ごすことのない娘と、
『十日間を共に過ごす』という私の目的からすれば、
何の不足もなかったのです。

郁代は今後年老いた両親が、もし病気で寝込んでも、
すぐには看病に来られないだろう。
その時、親孝行できないと悩むだろう。
『親孝行を今のうちにしておいて貰えば、もしもの時、気が楽だろう』。
これが旅行にかけた、私の本当の願いだったからでした。

この旅行から四年後。
郁代の病気を知らされた時、私は心の中でさけびました。

「郁ちゃんが病気をした時のために旅行したのではなかったんだよ!」
「おかあさんが病気をした時のためだったんだよ。
おかあさんの代わりに病気になんかならなくてよかったんだよ!」

残り時間が少なくなってきた頃には、
こんな会話が何度も繰り返されました。

「親孝行できなくてごめんね」
「ヨーロッパ旅行楽しかったよ」
「お母さんも楽しかったよ」

郁代との二人旅は、私の生涯で一番贅沢な旅になることでしょう。
“私一人だけ”の添乗員ですからね。