金沢・現代会議

金沢の秋に、思索のひとときを

鈴木大拙が生まれ、鈴木大拙館が建ち、
大拙を育んだ文化が今なお息づくここ金沢で、
多様な分野の識者が、現代を生きる人の生き方について語り合う

〜金沢・現代会議  現代に生きる・現代を生きる〜

第4回目は、10月1日に金沢市文化ホールで、
プロダクトデザイナー・日本民芸館館長の深澤直人さんと、
思想家で人類学者の中沢新一さんによる
講演と対談が行われました。

深澤直人さんは、
「人が普段、意識なくしている行動」に着目したデザインを得意としており、
2002年度毎日デザイン賞ほか、内外でデザイン賞を受賞しています。
作品を映像で紹介しながら話されました。

深澤直人さんデザインのCDプレイヤー
換気扇をひっぱるようにすると、音楽が楽しめます。


ドラエモンの非常口


中沢新一さんは「大いなるものからのギフト」、と何度も言われました。
最後には、「“自然”ですね。じねん・・・」

中沢新一さんのことばから

自力のはからいを捨てて、存在の深みに自分のすべてをゆだねていくとき、
その深みからは個をまるごと包み込んで、存在のほうに押し上げてくる、
絶対の他力が働いているのを、全身全霊で理解できるようになる。

人間がこの宇宙の中にあって、なにものかの力によって生かされているという感覚は、
とくに狩猟民の間では鋭く感じとられていたようです。

「大いなるもの」が自分たちの生命を包み込み、守ってくれているという感覚です。

私たちが、空間の住人である民藝作品のほうにばかり目を奪われて、
そうした作品を包み込んでいる「民藝空間」にたいする感受性や直感力を失うとき、
柳宗悦たちの創始した運動は衰弱し、ついには滅びていくことになるでしょう。