20年前の大ちゃんのことば

かっこちゃんの以前のメルマガから再掲です。

今から二十年前 阪神淡路大震災が起きたとき、
私は原田大助くんと一緒に養護学校で勉強をしていました。

朝、大きな揺れで目が覚めたけど、
それがどれほど大きな地震なのかわからないで、私は学校に来ていました。
大ちゃんはスクールバスを降りるなり

「けさの地震すごかったな
美浜の人は 地震も 火事も 台風も 何もおこるなと
思っとるやろな」
と言いました。そして、

地震の神戸 赤んぼうに お湯もってったり
赤んぼうにミルクもってったり
俺のところにも 今度な赤んぼうが生まれるんや」
と言いました。

弱い人が一番に辛い思いをするのだと感じていたのかもしれません。

地震がたくさんおこるのは
おまえらいいかげんにせえと地震が怒っとるんやと
思っとるんやな」

私はテレビにかじりつくようにしている大ちゃんに、
そろそろ勉強をしようかと言いました。

「日本中のみんな 悲しみで いっぱいやから
俺、勉強もようできん」

テレビの様子が戦争のような悲惨な状況だったからか、
「何でこんなに心の中が地震や戦争で一杯になるんやろ
えらい人 なんとかしたり」

「戦争は地震じゃないから やめられるはずやろ」
という詩をいくつも作りました。




 
  戦争に俺、行こうかな。
 戦争に行ったらな えらい人に
 「みんなどうして戦争やるんや?」
ってきいたるわ。
 みんなきくの忘れとるみたいやから


  戦争にいくと
 かあちゃんとわかれないかん
 好きな人と離れないかん。
 自分のためとちがうのに
 変な話や


山元加津子さんのHP「たんぽぽの仲間たち」に、
「大ちゃんの詩」のページがあります。