今日は雨です。

昨日の「木」に、EPOMさんが
八木重吉さんも木を詩にしていますね」とコメントをくださいました。
久しぶりに読んでみたくなりました。

1898年から1927年のわずか30年の生涯の間、
光を見て愛を見た詩人、八木重吉さんの詩です。


美しい夢

やぶれたこの 窓から
ゆふぐれ 街なみいろづいた 木をみたよる
ひさしぶりに 美しい夢をみた


しずかな朝 より

森は ひとつのしずけさをもつ
いちど そのしずけさにうたれたものは
よく森のちかくを さまようている


ほんとうに
自分の心に
いつも 大きな花をもっていたいものだ
その花は 他人を憎まなければ蝕まれはしない
他人を憎めば 自ずとそこだけ腐れていく
その花を抱いて 皆眠りにつこう



空を指す梢

そらを 指す
木は かなし
そが ほそき
こずえの 傷さ(いたさ)


雨は土をうるおしてゆく
雨というもののそばにしゃがみこんで
雨のすることをみていたい