つもった雪 


    つもった雪 
                金子みすゞ

    上の雪
    さむかろな。
    つめたい月がさしていて。

    下の雪
    重かろな。
    何百人ものせていて。

    中の雪
    さみしかろな。
    空も地面もみえないで。


雪が積もると、自分の家のことだけで精一杯になります。
家は壊れないか、
暖はとれるか、
食料はあるか、
道は通れるか・・・


金子みすゞさんの生涯は苦しいことの連続だったでしょう。

だからこその、
「さむかろな」「重かろな」「さみしかろな」のまなざしに、
深く心を打たれます。